ちょっとだけまいご/クリス・ホートン

『ちょっとだけまいご』は、クリス・ホートン作、木坂涼訳の絵本で、2012年にBL出版から刊行されました。原作:”A Bit Lost”の初版はイギリスで出版されました。物語は、巣から落ちて迷子になったちびフクロウが、リスの助けを借りてお母さんを探す冒険を描いています。ちびフクロウはお母さんの特徴をジェスチャーで伝えますが、リスはなかなか正しい相手を見つけられません。カラフルで愛らしいイラストと、ちびフクロウの可愛らしい仕草が魅力の作品です。

略歴

クリス・ホートン

クリス・ホートン(Chris Haughton)は、1978年にアイルランドのダブリンで生まれた絵本作家、イラストレーター、デザイナーです。彼は、新聞や雑誌など多岐にわたる媒体でイラストを手掛けており、その独特でカラフルなスタイルが特徴です。2007年には、フェアトレードブランド「ピープルツリー」のために制作した作品が、タイム誌の「デザイン100選(The Style + Design 100)」に選ばれ、国際的な評価を得ました。彼の代表作である『ちょっとだけまいご』や『どうする ジョージ!』、『もしかして…』などの絵本は、シンプルながら深いメッセージ性とユーモアを持ち、世界中の子どもたちや大人たちに親しまれています。また、デザインとフェアトレードを結びつけるソーシャルビジネスサイト「node(madebynode.com)」を立ち上げ、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

木坂 涼(翻訳)

木坂 涼(きさか りょう)さんは、1958年、埼玉県生まれ。和光大学人文学部芸術学科を卒業後、博報堂に勤務されました。1981年、自費出版の詩集『じかんはじぶんを』で詩人としてデビューし、その独特な作風が注目を集めました。1987年には詩集『ツッツッと』で第5回現代詩花椿賞を受賞し、1997年には『金色の網』で芸術選奨文部大臣新人賞を受賞されています。詩人としての活動に加え、エッセイスト、絵本作家、翻訳家としても幅広く活躍されています。特に、創作絵本や海外の児童文学の翻訳に力を入れており、代表作には『みんなおっぱいのんでたよ』(福音館書店)や『あいうえたいそう』(偕成社)などがあります。また、翻訳作品としては、ウィリアム・スタイグの『ねずみの歯いしゃさんアフリカへいく』やシムズ・タバックの『ヨセフのだいじなコート』など、多数の絵本を手掛けています。現在も、詩や絵本の創作、翻訳を通じて、子どもから大人まで幅広い読者に親しまれる作品を提供し続けています。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、2歳から4歳ぐらいとされています。シンプルなストーリーと少ない文字数で構成されており、小さなお子さんでも理解しやすく、親子での読み聞かせに適しています。また、鮮やかな色彩とユーモラスなキャラクター描写が、幼児の興味を引きつけるでしょう。

レビュー

本作は、迷子になったちびフクロウがリスと共にお母さんを探す姿を通じて、友情や助け合いの大切さを伝えています。ちびフクロウのジェスチャーやリスの勘違いがユーモラスに描かれ、読み手を微笑ませます。また、カラフルでシンプルなイラストは視覚的にも楽しめ、子どもたちの想像力を刺激します。親子で一緒に読むことで、コミュニケーションの大切さや思いやりの心を育む良い機会となるでしょう。

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