五味太郎さんの『あいうえおばけだぞ』(絵本館・1988年)は、45種類もの“こわくない友達おばけ”が次々に登場する、にぎやかで楽しい絵本です。絵本館の紹介でも「仲良くなるほどあいうえおが覚えられちゃう」とあるように、ひらがな入門にぴったり。身近なものがユーモラスなおばけに変身していく様子が人気で、あしおばけ・いすおばけ・うなぎおばけなど、五味太郎さんらしい発想が光っています。テンポよく進む構成で、文字遊びとおばけの楽しさがぎゅっと詰まったロングセラーです。
略歴
五味 太郎
五味太郎(ごみたろう)さんは、1945年、東京都に生まれた日本を代表する絵本作家であり、グラフィックデザイナーでもあります。東京藝術大学美術学部工芸科を卒業後、広告デザインやグラフィックの仕事に携わり、その後絵本の制作を始めました。1977年に初の絵本『みんなうんち』を発表し、ユニークな視点とシンプルで大胆なデザインが評価され、多くの読者に愛される作家となりました。
代表作には『きんぎょが にげた』『かずのえほん』『たべたの だあれ』などがあり、その多くが世界中で翻訳・出版されています。五味さんの作品は、明確でわかりやすいイラストと、遊び心あふれる構成が特徴で、幼児から大人まで幅広い層に支持されています。また、創作の傍らでエッセイ執筆やワークショップも行い、子どもたちとの対話を通じて創作活動を続けています。彼の絵本は、視覚的な楽しさとともに子どもの創造力を育むことを目的とし、多くの作品が日本国内外でロングセラーとなっています。
おすすめ対象年齢
対象年齢は 3〜5歳ごろ とされています。ひらがなに興味を持ち始めた子にぴったりで、ページごとに違うおばけが登場するから、小さな子でも飽きずに楽しめる構成。読み聞かせでも一緒に声を出して遊べるし、文字を覚えるきっかけにもなるタイプの絵本です。
レビュー
読んでみると、まず「おばけの発想力すご!」ってなる一冊。怖さゼロで、むしろ「こんなおばけなら会ってみたい」と思える可愛さがあって、ページをめくるたびにクスッと笑えます。あいうえお順にテンポよく進むから、自然とひらがなに触れられるのも魅力。五味太郎さんのシンプルだけど味のある絵が、ひとつひとつのおばけの個性をしっかり引き立てていて、大人が読んでも楽しい。読み終わるころには「自分の家にもこんなおばけいるかも?」なんて想像が広がる、遊び心たっぷりの絵本でした。


