『ちいさなちいさな うみのおさんぽ』は、さかいさちえさんによる「ちいさなちいさなポコポコ」シリーズの第9作。2020年に教育画劇から発行されました。今回は、ポコポコとありさんが海へお出かけ!浜辺ではきれいな貝や石を拾ったり、カニさんの行列についていったりと、楽しさいっぱい。カニたちが入っていくのは、なんとスイカのおうち!中は海の家。スイカをガブリ!ココナッツボートのカピバラさんとぷかぷか漂流したり…。海辺の世界が断面図で色鮮やかに描かれていて、見ているだけで夏の海の空気を感じられます。ちいさな冒険と出会いが詰まった、涼しくて楽しい絵本です。
略歴
さかい さちえ
さかいさちえさんは、神奈川県横浜市出身のイラストレーター・絵本作家。東京デザイン専門学校を1997年に卒業後、絵本・漫画・アニメの制作に携わるように。代表作『こじかこじっこ』シリーズで第1回おはなし絵本クラブ大賞を受賞し、その人気を確立。以後、「ちいさなちいさなポコポコ」シリーズを含む多数の断面図絵本で知られ、シリーズは累計100万部を突破。近年も『ほしのあかり』などを続々と刊行し、子ども・親世代の両方から支持されています。温かみのある絵と細部まで丁寧に描かれた構成が魅力です。
おすすめ対象年齢
対象年齢は2歳〜6歳くらいがおすすめです。ストーリーはやさしく、ページごとに細かく描かれた断面図や、カラフルな海の生きものたちに子どもたちの好奇心がくすぐられます。夏の海の雰囲気がたっぷりなので、季節の読み聞かせにもぴったり。自然に触れる楽しさや、発見する喜びを感じられる絵本です。
レビュー
今回のポコポコは“海の冒険”ということで、読んでいるだけで夏休みに海へ出かけたような気分になれます!スイカのおうちやココナッツボートなど、ちょっぴり不思議で可愛い世界観がたまりません。断面図で描かれる海の家や穴の中の魚たちの暮らしが細かくて、ページを何度もじっくり眺めたくなります。ポコポコとありさんのコンビも安定のかわいさで、ふたりのマイペースなやりとりに癒されました。ちいさな発見や出会いがぎゅっと詰まった夏の一冊。読後は「海、行きたいね〜!」ってきっとなるはず!