あんぱんまんとごりらまん/やなせたかし

『あんぱんまんとごりらまん』は、やなせたかしさんによるアンパンマン絵本の一作で、初版は1978年に刊行されました(※当時は月刊絵本として掲載)。大きくて力持ちだけど、ちょっぴりこわがられている「ごりらまん」が登場し、アンパンマンと心を通わせていくハートフルなお話です。単純な勧善懲悪ではなく、「見た目で判断しないこと」や「やさしさの形は人それぞれ」というメッセージが詰まっています。2022年にはフレーベル館から復刻版も登場しました。

略歴

やなせ たかし

やなせたかしさんは1919年、高知県に生まれました。戦後は広告デザインやイラストの仕事を経て、詩や童話、漫画の世界へ。1973年に『あんぱんまん』を発表し、1988年からアニメ化され大ブレイクしました。アンパンマンの主題歌「アンパンマンのマーチ」の作詞も本人が手がけています。テーマは“本当の正義とは何か”。晩年も精力的に活動を続け、2013年に94歳で逝去。子どもたちに“やさしさの心”を伝え続けた、日本を代表する作家です。

おすすめ対象年齢

『あんぱんまんとごりらまん』は、3歳〜6歳くらいのお子さんにおすすめです。わかりやすいストーリーと印象的なキャラクターが魅力で、読み聞かせにもぴったり。やさしさや思いやりをテーマにしており、まだ言葉や感情が育ちつつある幼児期にこそ届けたい一冊です。特に、他人を理解することや友情の大切さを自然に学べます。

レビュー

読んでいて心がほっこり温かくなる作品でした。ごりらまんは見た目がちょっと怖いけど、本当はすごくやさしい心を持っていて、アンパンマンがそれをちゃんと見抜くところが素敵。子どもに「外見だけで人を決めつけないでね」ってやさしく伝えてくれるお話です。ドキドキする場面もあって飽きずに読めるし、最後にはじんわりと感動。アンパンマンシリーズの中でも、友情と信頼をじっくり描いた印象深い作品のひとつだと思います。