ヨシタケシンスケ作の『あるかしら書店』(2017年発行)は、ユニークな発想と可愛らしいイラストで魅了する絵本です。本の世界を舞台にした架空の書店を訪れる主人公が、「もしこんな本があったら?」と考えるユーモラスで心温まるストーリーが展開します。どのページも想像力をかきたて、読者をクスッと笑わせてくれます。本好きや子どもたちはもちろん、大人も楽しめる内容です。本との出会いの楽しさや読書の魅力を再発見できる一冊として、幅広い世代におすすめの作品です。
略歴
ヨシタケシンスケ(本名:吉竹伸介)さんは、1973年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。筑波大学芸術専門学群を卒業。さらに、同大学大学院芸術研究科総合造形コース修士課程を修了しています。
2013年、初のオリジナル絵本『りんごかもしれない』を発表し、独特の視点とユーモラスな表現で注目を集めました。同作はMOE絵本屋さん大賞第1位や第61回産経児童出版文化賞美術賞を受賞しています。
その後も、『ぼくのニセモノをつくるには』、『もうぬげない』、『このあとどうしちゃおう』など、次々と話題作を発表。特に『もうぬげない』は、2017年にボローニャ・ラガッツィ賞特別賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得ています。彼の作品は、日常の何気ない疑問や想像をユーモラスに描き、子どもから大人まで幅広い世代に共感されています。また、児童書の挿絵や装画、エッセイの執筆など、多岐にわたる分野で活躍しています。
2022年6月時点で、彼の絵本の累計発行部数は約600万部に達し、10か国以上で翻訳出版されています。2児の父でもあり、家族との日常から得られるインスピレーションが作品に反映されています。その独特の発想と温かみのある作風で、日本を代表する現代絵本作家としての地位を確立しています。
おすすめ対象年齢
ヨシタケシンスケ作の『あるかしら書店』は、幅広い年齢層に楽しんでいただける絵本です。特に小学校低学年(6~9歳)の子どもたちには、そのユニークな発想とイラストが大変魅力的ですが、絵本を通して本や読書を楽しむ大人にも十分おすすめです。本にまつわるユーモラスなアイデアが散りばめられ、読者の想像力を刺激します。親子で一緒に楽しむのに最適な作品であり、読書の入り口としても素晴らしい一冊です。
レビュー
『あるかしら書店』は、ヨシタケシンスケのユーモアと創造性が存分に詰まった一冊です。「こんな本があったらいいな」と思わせる発想がユニークで、ページをめくるたびに新しい発見がありました。特に、架空の本に込められたアイデアが個性的で、読者の想像力をかき立てます。また、イラストの細部に込められた遊び心やコミカルな表現も見どころ。子どもと一緒に楽しむだけでなく、大人もつい「こんな本が欲しい!」と思ってしまう内容です。本との出会いの楽しさを改めて感じさせてくれる、読書好きにはたまらない一冊です。