作はジョン・バーニンガム、訳は青山南さん。原作名は Avocado Baby、1982年にイギリスでJonathan Capeから刊行されました。日本語版は1993年にほるぷ出版から発売され、青山南さんが訳を担当。物語は、体の弱い家系のハーグレイブ家に生まれた赤ちゃんが極端に体が弱く、母親が悩んでいるところから始まります。ある日アボカドを与えると、みるみるうちに強くなり、ベッドの柵を持ち上げたり、泥棒や公園のいじめっ子をやっつけたりするスーパー赤ちゃんに変身!ユニークで痛快な展開に、読み終わったあとには微笑まずにいられない一冊です。バーニンガムらしい自由な線の絵と奇想天外なストーリーが、読む人の心をぐっとつかみます。
略歴
ジョン・バーニンガム
ジョン・バーニンガム(John Burningham,1936‑2019)はイギリス出身の絵本作家・イラストレーター。ケイト・グリーナウェイ賞を2度受賞するなど、その独特の線と繊細な色使いで世界中にファン多数。代表作には『Mr Gumpy’s Outing』や『Granpa』などがあり、日常の中にある小さなドラマやユーモアを捉える視点が魅力です。1993年刊の『クリスマスのおくりもの』もそんな作風が光る一冊。絵本界の巨匠として、半世紀以上にわたり子どもにも大人にも愛され続けています。
青山 南(訳)
青山南(あおやまみなみ)さんは絵本の翻訳を中心に活躍する翻訳家・エッセイスト。代表作には『たのしいホッキ―ファミリー』(ほるぷ出版)、レイン・スミス作品の訳書多数など。幅広いジャンルの作品を手がけ、児童書翻訳を通じて日本の子どもたちに海外絵本の魅力を伝え続けています。特に『アボカド・ベイビー』では、原文のユーモアやリズム感を自然な日本語に落とし込み、小さな読者に親しみやすく仕上げている点が光ります。訳者としての評価も高く、絵本ファンだけでなく文学ファンからも支持される存在です。
おすすめ対象年齢
『アボカド・ベイビー』は2〜6歳くらいの幼児にぴったり。読み応えがありつつ、バーニンガムのテンポ良いイラストとストーリーでテンション高め!文字数も適度なので読み聞かせにも最適です。体の弱い赤ちゃんが強くなるという非日常な設定が、子どもの想像力を刺激し、遊びながら読み進められます。
レビュー
この絵本、ほんとに最高!アボカドで強くなる展開は完全に予想外。動物的力持ちでピアノを持ち上げたり、泥棒をほうきでやっつけちゃうシーンには思わず笑いが巻き起こります。ユーモアたっぷりだけど、家族を守るヒーローっぷりにジーンともきちゃう。青山南さんの訳も自然でリズムがよく、子どもと一緒に声に出して読むと、笑い声が絶えません。なんと言っても、「小さな存在でも、家族にとっては大きな力」を教えてくれるあたたかいメッセージがじわじわ効いてくる。読み終えた後、アボカド食べたくなっちゃうかも!? 親子でクスクス、大人もほっこりできる絵本です。