あかちゃんたいそう/鈴木 まもる

鈴木まもるさんの『あかちゃんたいそう』(2011年 小峰書店)は、親子で楽しく体を動かしながら読めるスキンシップ絵本です。ねこさんと「ほっぺと ほっぺ、すり すり すり」といった心地よいリズムの言葉に合わせて、赤ちゃんと一緒に体を動かすことで、自然とふれあいが生まれる内容になっています。子育て日記で日々の赤ちゃんの姿を描いてきた作者が、その経験を活かして生み出した作品で、愛情いっぱいのやりとりがぎゅっと詰まっています。読み聞かせの時間が、遊びのひとときにもなるような、親子で笑顔になれる一冊です。

略歴

鈴木 まもる

鈴木まもるさんは1952年東京生まれ。東京芸術大学工芸科を中退後、1980年に『ぼくの大きな木』で絵本作家としてデビュー。作品数は200冊以上にのぼります。1995年に「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さし絵賞を、2006年に『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞、2015年には『ニワシドリのひみつ』で産経児童出版文化賞JR賞など数々の受賞歴あり。伊豆半島に在住し、画家・絵本作家として活動する傍ら、鳥の巣研究家として収集・展覧会・講演なども行っています。

おすすめ対象年齢

『あかちゃんたいそう』の対象年齢は、0歳から2歳くらいからの小さなお子さんにおすすめです。リズムにのせて一緒に体を動かしたり、抱っこしながら遊んだりできるので、まだ言葉を話せない時期から楽しめます。赤ちゃんの成長に合わせて、親子のコミュニケーションを深める絵本として長く活用できます。

レビュー

読んでみてまず感じたのは、声に出すと自然に笑顔になれるリズムの良さです。「すり すり」「こちょ こちょ こちょ」といった言葉に合わせて体を動かすと、絵本がまるで遊びの延長のように楽しめます。絵の温かさもあって、赤ちゃんと一緒に読むとスキンシップが自然に増えるのがいいなと思いました。読み聞かせというよりも、体で感じる絵本なので、親子の距離がぐっと近づく感じがします。成長とともに赤ちゃんの反応が変わるのも楽しみで、何度も読みたくなる一冊でした。