バムとケロのそらのたび/島田 ゆか

『バムとケロのそらのたび』(作・絵:島田ゆか、発行:文溪堂、1995年)は、ある日バムのもとに届いた大きな荷物から始まる冒険物語。中にはなんと組み立て式の飛行機が!手紙には「次の日曜日におじいちゃんのところに遊びに来なさい」と書かれていて、さっそくケロと一緒に旅に出発します。道中、「たまねぎさんみゃく」や「かぼちゃかざん」などでトラブルに見舞われながらも、2人は明るく前向きに進んでいきます。今回も細部まで描き込まれた世界と、ちょこちょこ登場する小キャラたちが魅力たっぷりな一冊です。

略歴

島田 ゆか

島田ゆかさんは1963年兵庫県生まれの絵本作家・イラストレーターです。東京デザイン専門学校グラフィックデザイン科を卒業後、企業でグッズのデザインや広告の仕事をしながら、イラストや絵本制作を志しました。1994年、初の絵本『バムとケロのにちようび』(文溪堂)を出版。細部まで描きこまれた緻密な絵と、ユーモラスなキャラクターたちが人気を集め、「バムとケロ」シリーズをはじめ、『ガラゴ』シリーズ、『ぶーちゃんとおにいちゃん』など数々の作品を発表。現在も東京都在住で、創作を続けています。

おすすめ対象年齢

『バムとケロのそらのたび』の対象年齢は3歳〜小学校低学年くらいです。お話の展開はしっかりしていますが、かわいくてユーモラスな絵がたくさんあるので、小さなお子さんでも楽しめます。細かい描き込みや、ページのすみずみに隠れたキャラを見つける楽しさもあり、何度読んでも飽きない絵本です。親子の読み聞かせにもぴったり!

レビュー

冒頭から「なにこれ?わくわく!」とテンションが上がる始まりで、読み進める手が止まりませんでした。バムが届いた荷物を開けるシーンからすでにおもしろいし、飛行機を組み立てる場面もかわいさ満点。旅の途中で出てくる「たまねぎさんみゃく」や「かぼちゃかざん」などのユニークな地名も楽しく、子どもと一緒に「どこ行くの?何があるの?」と盛り上がれます。何気ない小ネタや背景にも遊び心がたっぷりで、読むたびに発見できるのが島田ゆかさんらしい魅力です。