『おやすみくまちゃん』は、シャーリー・パレントー作、デイヴィッド・ウォーカー絵、福本友美子訳による絵本です。原作は『Bears in Beds』というタイトルで、2012年にアメリカで初版が出版されました。日本語版は同年に発行されています。この絵本は、5匹のくまちゃんたちが眠りにつくまでの心温まる物語です。ベッドに入ったくまちゃんたちが、風の音や暗闇に怖がりながらも、一緒に乗り越えて安心して眠りにつく姿が描かれています。くまちゃんたちの絆や、優しいタッチのイラストが魅力的で、読み聞かせにも最適な作品です。夜の読み聞かせタイムに親子で楽しめる一冊としておすすめです。
略歴
シャーリー・パレントー
シャーリー・パレントー(Shirley Parenteau)は、アメリカの作家で、絵本からヤングアダルト向けのSF、女性向けの小説まで幅広いジャンルで執筆活動を行っています。特に、孫娘たちの誕生をきっかけに、幼い子ども向けの絵本制作に再び取り組むようになりました。彼女の創作の源は、6人の孫娘たちの行動や日常生活にあり、その観察から得たインスピレーションを作品に反映させています。代表作である「くまちゃん」シリーズは、愛らしいキャラクターと心温まるストーリーで、多くの読者に親しまれています。現在、カリフォルニア州在住で、家族と過ごす時間を大切にしながら、執筆活動を続けています。
彼女の作品は、日本でも多くの読者に愛されており、『おすわりくまちゃん』や『おやすみくまちゃん』などの絵本は、子どもたちの心を惹きつけています。また、彼女の作品は、家族の絆や友情、思いやりといったテーマを扱っており、読者に深い感動を与えています。
デイヴィッド・ウォーカー(絵)
デイヴィッド・ウォーカー(David Walker)は、アメリカのイラストレーターで、主に幼い子ども向けの絵本のイラストを手がけています。彼の作品は、柔らかな色彩と愛らしいキャラクター描写が特徴で、多くの読者に親しまれています。代表作には、『おすわりくまちゃん』『おやすみくまちゃん』『だいすきぎゅっぎゅっ』などがあり、これらは日本でも高い人気を誇っています。また、近年では自身で文章も手がけるようになり、『ちっちゃくたって』などの作品を発表しています。さらに、絵本以外にも、グリーティングカードや布地などのデザインも手がけ、その活動範囲は多岐にわたります。現在、愛犬と共に暮らしながら、創作活動を続けています。彼は「好きな絵を描いて暮らせる世界で一番幸せな人間」と語っており、その情熱が作品にも表れています。
福本 友美子(訳)
福本友美子(ふくもと ゆみこ、1951年東京都生まれ)は、慶應義塾大学文学部図書館・情報学科を卒業後、調布市立図書館で児童サービスに携わりました。1980年からフリーランスで児童書の翻訳や批評、編集に取り組み、英語圏を中心とした児童文学の翻訳に定評があります。代表作に『おすわりくまちゃん』や『おやすみくまちゃん』、『リディアのガーデニング』などがあります。また、国際子ども図書館の活動やケニアでの図書館設立プロジェクトにも貢献し、子どもの読書普及や翻訳を通じて幅広く活動を続けています。
おすすめ対象年齢
『おやすみくまちゃん』は、3歳から5歳くらいの幼児を対象とした絵本です。シンプルな文章と愛らしいイラストが特徴で、特に寝かしつけの時間にぴったりの内容です。怖い気持ちを共有し、安心感を得るストーリーは、小さな子どもの情緒に寄り添う作品となっています。また、絵本の色彩が子どもの興味を引きやすく、親子での読み聞かせに適した一冊です。
レビュー
『おやすみくまちゃん』は、寝かしつけの時間に子どもたちと親が一緒に楽しむのに最適な絵本だと感じました。くまちゃんたちが風の音や暗闇を怖がる様子は、多くの子どもが共感できる場面だと思います。それをみんなで乗り越えていく過程がとても温かく描かれており、読む人に安心感を与えます。デイヴィッド・ウォーカーの柔らかい色彩のイラストが、くまちゃんたちのかわいらしさをさらに引き立てており、心地よい眠りに導いてくれるような雰囲気を持っています。読み聞かせの際に親子の絆を深められる一冊であり、特に初めての絵本としてもおすすめしたい作品です。