おすわりくまちゃん/シャーリー・パレントー

『おすわりくまちゃん』は、シャーリー・パレントー作、デイヴィッド・ウォーカー絵、福本友美子訳による絵本で、2010年にアメリカで原作名”Bears on Chairs”として出版されました。日本語版は同年に刊行されています。物語は、4つの椅子にそれぞれ小さなくまちゃんたちが座っているところに、あとから来たちゃいくまちゃんの椅子がないという状況から始まります。美しい色彩と愛らしい仕草や表情で描かれたくまちゃんたちの様子が魅力的で、優しい心を育む内容となっています。

略歴

シャーリー・パレントー

シャーリー・パレントー(Shirley Parenteau)は、アメリカの作家で、絵本からヤングアダルト向けのSF、女性向けの小説まで幅広いジャンルで執筆活動を行っています。特に、孫娘たちの誕生をきっかけに、幼い子ども向けの絵本制作に再び取り組むようになりました。彼女の創作の源は、6人の孫娘たちの行動や日常生活にあり、その観察から得たインスピレーションを作品に反映させています。代表作である「くまちゃん」シリーズは、愛らしいキャラクターと心温まるストーリーで、多くの読者に親しまれています。現在、カリフォルニア州在住で、家族と過ごす時間を大切にしながら、執筆活動を続けています。
彼女の作品は、日本でも多くの読者に愛されており、『おすわりくまちゃん』や『おやすみくまちゃん』などの絵本は、子どもたちの心を惹きつけています。また、彼女の作品は、家族の絆や友情、思いやりといったテーマを扱っており、読者に深い感動を与えています。

デイヴィッド・ウォーカー(絵)

デイヴィッド・ウォーカー(David Walker)は、アメリカのイラストレーターで、主に幼い子ども向けの絵本のイラストを手がけています。彼の作品は、柔らかな色彩と愛らしいキャラクター描写が特徴で、多くの読者に親しまれています。代表作には、『おすわりくまちゃん』『おやすみくまちゃん』『だいすきぎゅっぎゅっ』などがあり、これらは日本でも高い人気を誇っています。また、近年では自身で文章も手がけるようになり、『ちっちゃくたって』などの作品を発表しています。さらに、絵本以外にも、グリーティングカードや布地などのデザインも手がけ、その活動範囲は多岐にわたります。現在、愛犬と共に暮らしながら、創作活動を続けています。彼は「好きな絵を描いて暮らせる世界で一番幸せな人間」と語っており、その情熱が作品にも表れています。

福本 友美子(訳)

福本友美子(ふくもと ゆみこ、1951年東京都生まれ)は、慶應義塾大学文学部図書館・情報学科を卒業後、調布市立図書館で児童サービスに携わりました。1980年からフリーランスで児童書の翻訳や批評、編集に取り組み、英語圏を中心とした児童文学の翻訳に定評があります。代表作に『おすわりくまちゃん』や『おやすみくまちゃん』、『リディアのガーデニング』などがあります。また、国際子ども図書館の活動やケニアでの図書館設立プロジェクトにも貢献し、子どもの読書普及や翻訳を通じて幅広く活動を続けています。

おすすめ対象年齢

おすすめ年齢は3歳から5歳ごろとなっています。優しい色彩とシンプルなストーリー展開で、小さな子どもたちが楽しめる内容です。また、くまちゃんたちの愛らしい表情や行動が描かれており、親子での読み聞かせにも最適です。

レビュー

『おすわりくまちゃん』は、シンプルながら心温まるストーリーと、デイヴィッド・ウォーカーの柔らかな色彩で描かれた愛らしいくまちゃんたちのイラストが印象的です。物語を通じて、子どもたちに思いやりや協力の大切さを自然に伝えることができる点が素晴らしいと感じました。また、福本友美子さんの優しい日本語訳が、作品の魅力をさらに引き立てています。親子で一緒に読むことで、心温まる時間を過ごせる一冊としておすすめです。

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