おやすみなさいフランシス/ラッセル・ホーバン

『おやすみなさいフランシス』は、ラッセル・ホーバン作、ガース・ウィリアムズ絵、松岡享子さん訳の絵本です。原作名は『Bedtime for Frances』で、1960年にアメリカで発行されました。日本語版は1966年に福音館書店から出版されています。この作品は、あなぐまの女の子フランシスが寝る前に様々な理由を見つけてなかなか眠れない様子を描いており、子どもたちの共感を呼ぶ内容となっています。

略歴

ラッセル・ホーバン

ラッセル・ホーバン(1925-2011)は、アメリカ・ペンシルベニア州ランスデール生まれの児童文学作家です。フィラデルフィアの美術学校で学び、雑誌やテレビのアートディレクターとして働く傍ら創作活動を開始しました。1967年以降は作家業に専念し、妻リリアン・ホーバンと共作した「フランシス」シリーズなどで知られています。1969年にイギリスへ移住し、その後は大人向けのSF作品も手がけました。

ガース・ウィリアムズ(絵)

ガース・モンゴメリー・ウィリアムズ(Garth Montgomery Williams、1912年生まれ)は、アメリカ合衆国の著名なイラストレーターで、児童書や絵本の挿絵で広く知られています。彼はニュージャージー州とカナダの農場で幼少期を過ごし、10歳のときに家族とともにイギリスへ移住しました。ロンドンのウェストミンスター美術学校で建築を学んだ後、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで奨学金を得て美術を専攻しました。第二次世界大戦中は英国赤十字社で活動し、戦後はアメリカに戻り、『ザ・ニューヨーカー』誌でイラストレーターとして活躍しました。E・B・ホワイトの『スチュアートの大ぼうけん』(1945年)や『シャーロットのおくりもの』(1952年)の挿絵を手がけたことで一躍有名になり、ローラ・インガルス・ワイルダーの『大草原の小さな家』シリーズの新版(1953年)でも挿絵を担当しました。晩年はメキシコのグアナフアト州で過ごし、1996年に84歳で逝去しました。

まつおかきょうこ(訳)

松岡享子(まつおかきょうこ,1935-2022)さんは、日本の児童文学研究者、翻訳家、図書館司書です。神戸女学院大学を卒業後、ウェスタン・ミシガン大学で修士号を取得されました。帰国後は、福音館書店に勤務し、東京都立日比谷図書館で児童サービスにも携わられました。1974年には「東京子ども図書館」を設立し、児童書の普及に尽力されました。代表作に『とこちゃんはどこ』『おふろだいすき』、また、『しろいうさぎとくろいうさぎ』や「くまのパディントン」などの翻訳も手掛けられました。著作・翻訳は200冊以上にのぼり、文化功労者としても顕彰され、児童文学の発展に大きく貢献されました。

おすすめ対象年齢

『おやすみなさいフランシス』は、4歳から6歳頃の子どもたちにおすすめの絵本です。寝る前の子どもの心理を巧みに描いており、親子での読み聞かせに最適です。

レビュー

この絵本は、寝る前の子どもの「あるある」をユーモラスに描いており、親子で楽しく読める作品です。フランシスの可愛らしい言い訳や行動に、思わず笑みがこぼれることでしょう。また、ガース・ウィリアムズの温かみのあるイラストが物語を引き立て、読者を魅了します。子どもたちの就寝前のひとときに、ぜひ手に取ってみてください。

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