なかやみわさん作・絵の絵本『そらまめくんとながいながいまめ』は、2009年に小学館から出版された「そらまめくん」シリーズの一冊です。主人公のそらまめくんが出会ったのは、ながいながい豆のベッド。その持ち主は、さんじゃくまめの兄弟。お互い自慢のベッドで競争を始めます。物語は、そらまめくんとさんじゃくまめ兄弟が自慢のベッドをめぐって競争する様子を描き、子どもたちに友情や思いやりの大切さを伝えます。なかやみわさんの温かみのあるイラストと、豆たちの個性豊かなキャラクターが魅力の一冊です。
なかやみわの略歴
なかやみわさんは、1971年に埼玉県大宮市(現:さいたま市)で生まれました。女子美術短期大学造形科グラフィックデザイン教室を卒業後、キャラクターデザイナーを目指してサンリオに入社しました。しかし、流行に左右されず時代を超えて愛される絵本に憧れ、専門学校の絵本コースで川端誠氏に学びました。その後、出版社への持ち込みを経て、制作に1年を要し、1997年5月に『そらまめくんのベッド』を発表しました。この作品は読者から好評を博し、以降、『くれよんのくろくん』など多数のシリーズや作品を手掛けています。作品によって、色鉛筆、パステル、クレヨン、水彩絵具などの画材を使い分けています。また、2010年4月から2012年3月まで女子美術大学芸術学部アート・デザイン表現学科の准教授を務めました。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、3歳から6歳程度の未就学児が適しています。登場するキャラクターたちのやりとりや、物語の展開が幼児の興味を引き、楽しみながら学びを得られる内容となっています。また、読み聞かせにも最適で、親子で一緒に楽しむことができます。
レビュー
この絵本を読んで感じたのは、子どもたちが日常で経験する「自分のものが一番」という気持ちや、友だちとのちょっとした競争心が描かれている点です。そらまめくんとさんじゃくまめ兄弟のやりとりを通じて、他者を思いやる心や、違いを認め合うことの大切さを自然と学べる内容になっています。また、なかやみわさんの細やかなイラストは、自然の中で生きる豆たちの世界を生き生きと描き出し、読者の想像力をかき立てます。親子で読みながら、物語の中の出来事について話し合うことで、子どもの心の成長を促す良い機会になると感じました。