まつおかたつひで作・絵の『ぴょーん』は、2000年に発行された、シンプルで楽しい赤ちゃん絵本です。この絵本は、カエル、バッタ、ネコなど、様々な動物たちが「ぴょーん」とジャンプする姿を描いており、そのダイナミックな動きがページをめくるごとに広がります。見開きいっぱいに広がるジャンプシーンは、赤ちゃんや幼児が声を上げて喜ぶこと間違いなし。文字は最小限で、視覚的な楽しさが際立ち、親子で声を合わせて楽しむのにぴったりの一冊です。繰り返し読むことで、子どもたちはリズム感や動きを学びながら、本をめくる楽しさを発見できます。
まつおかたつひでの略歴
松岡達英(まつおか たつひで)氏は、1944年に新潟県長岡市で生まれた自然絵本作家です。幼少期から自然に興味を持ち、昆虫採集や観察に熱中しました。専門学校で商業デザインを学び、1967年にフリーのイラストレーターとして活動を開始。1968年には「知識絵本」(北隆館)で絵本作家としてデビューし、以降、国内外の自然観察を基に多くの自然科学絵本を制作しています。
主な作品には、『すばらしい世界の自然シリーズ』(大日本図書)、『熱帯探検図鑑』(偕成社)、『ジャングル』(岩崎書店)などがあり、これらの作品で厚生省児童福祉文化賞や絵本にっぽん賞、日本科学読物賞などを受賞しています。
2000年には新潟県川口町にアトリエを構え、自然観察を通じて多彩な創作活動を展開。2004年の新潟県中越地震ではアトリエが被災しましたが、その経験を基に『震度7』(ポプラ社)を出版し、産経児童出版文化賞を受賞しました。その後も、自然への深い愛情と探求心を持ち続け、絵本制作やギャラリー運営を通じて、自然の魅力を伝え続けています。
おすすめ対象年齢
『ぴょーん』の対象年齢は、0歳から3歳の乳幼児を中心に幅広く楽しめる内容です。シンプルで親しみやすいイラストと「ぴょーん」という繰り返しの言葉が赤ちゃんや小さな子どもたちの注意を引きつけ、ページをめくるたびに驚きと喜びを感じられます。言葉を覚え始めた幼児にとってもリズム感を楽しみながら、動物たちの動きを真似して体を動かす遊びとしてもぴったりです。親子の触れ合いの時間や、保育園・幼稚園での読み聞かせにも適した一冊です。
レビュー
『ぴょーん』は、一見シンプルな絵本ですが、その中に驚くほどの楽しさと工夫が詰まった作品です。カエルやバッタ、ネコといった身近な動物たちが「ぴょーん」とジャンプするだけの構成ですが、その動きのダイナミズムや可愛らしさに思わず笑顔になってしまいます。特に、ページをめくる瞬間に広がるジャンプの場面は、読み聞かせをしている大人も思わず「おお!」と感嘆してしまうほど迫力があります。言葉が少なく、イラストの力が際立っているため、赤ちゃんから幼児まで年齢に関係なく楽しめます。また、動物たちの動きを真似して親子で体を動かす遊びとしても楽しめる点が魅力です。この絵本は、子どもたちの驚きや笑顔を引き出す素晴らしい一冊だと感じました。