
『ちょうちょう ひらひら』は、詩人まど・みちおさんの優しい言葉と、西巻茅子さんのあたたかな絵が織りなす絵本です。春の陽気の中、ちょうちょうがうさちゃんやしかさんのもとへ舞い降り、それぞれが「うふふ」「えへへ」と微笑みます。ちょうちょうの軽やかな動きと動物たちの表情が、読む人の心を和ませてくれます。この絵本は2008年にこぐま社から発行されました。
略歴
まど・みちお
まど・みちお(1909年 – 2014年)さんは、山口県徳山町(現・周南市)に生まれました。台北工業学校卒業後、台湾総督府で勤務する傍ら詩作を始め、1934年に雑誌『コドモノクニ』への投稿が北原白秋に認められ、詩人としての道を歩み始めます。代表作には「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」などがあり、1994年には日本人初の国際アンデルセン賞作家賞を受賞しました。2014年、104歳で逝去されるまで、詩作を続けられました。
にしまき かやこ(絵)
にしまきかやこ(西巻 茅子)さんは、1939年、東京都世田谷区に生まれました。東京芸術大学工芸科を卒業後、リトグラフやエッチングを学び、日本版画協会展で新人賞や奨励賞を受賞しています。その後、絵本作家として活動を始め、『わたしのワンピース』や『ちいさなきいろいかさ』など、多くの作品を手掛けました。彼女の作品は、リトグラフや刺繍など多彩な技法を用いた温かみのある絵柄が特徴です。
おすすめ対象年齢
『ちょうちょう ひらひら』は、1歳から3歳ごろまでのお子さまに適した絵本です。シンプルな言葉と繰り返しのリズムが、幼い子どもたちの感性に寄り添い、読み聞かせにも最適です。また、全国学校図書館協議会選定図書にも選ばれており、教育現場でも推奨されています。
レビュー
この絵本を手に取ったとき、まど・みちおさんの詩のやさしさと、西巻茅子さんの柔らかなイラストが心に響きました。ちょうちょうが動物たちのもとへ舞い降りるたびに、それぞれが微笑む様子は、読む人にも自然と笑顔をもたらします。特に、ちょうちょうがぞうさんのもとへ行く場面では、予想外の展開に子どもたちも興味津々でした。春の訪れを感じさせるこの絵本は、親子での読み聞かせにぴったりの一冊です。