ばいばい/まついのりこ

『ばいばい』(まつい のりこ作・偕成社)は、1983年に初版が発行され、その後改訂版として再出版された赤ちゃん向けの絵本です。シンプルな構成と明るい色使いが特徴で、動物や乗り物などが「ばいばい」と手を振る様子が描かれています。登場するキャラクターたちは、親しみやすく、視認性の高いデザインで、赤ちゃんが自然と注目しやすいよう工夫されています。「ばいばい」という言葉の繰り返しがリズミカルで、赤ちゃんが言葉を覚えるきっかけにもなります。絵本を通じて、あいさつの習慣を楽しく身につけられるようになっており、親子のコミュニケーションを深める一冊としても人気です。

略歴

まついのりこ

まつい のりこ(1934年生まれ)は、日本の絵本作家・紙芝居作家です。和歌山県和歌山市で生まれ、和歌山大学学芸学部を卒業後、東京で小学校の図工教員として勤務しました。子育てを通じて絵本に関心を持ち、28歳で武蔵野美術大学に入学し、卒業後に絵本作家としての活動を開始しました。
1976年には絵本『ころころぽーん』でボローニャ世界児童図書展エルバ賞を受賞し、紙芝居『おおきくおおきくおおきくなあれ』では高橋五山賞を受賞しています。また、紙芝居の普及活動にも力を入れ、「紙芝居文化の会」の代表を務めました。1991年からはベトナムでの紙芝居普及支援活動を行い、その功績によりベトナム文化功労賞を受賞しています。
代表作には『じゃあじゃあびりびり』や『かずのほん』、『とけいのほん』などがあり、これらの作品は長年にわたり多くの読者に親しまれています。2017年2月12日に82歳で逝去されました。

おすすめ対象年齢

対象年齢は0歳から2歳頃です。赤ちゃんの目を引くシンプルなデザインと、繰り返しのある言葉のリズムが特徴で、言葉の発達が始まる時期の子どもにぴったりです。また、「ばいばい」という簡単な言葉を学びながら、身近な動物や乗り物に親しむことができます。親子で絵本を読みながら、手を振って遊ぶことで、自然とコミュニケーション能力や社会性を育むことができる絵本です。

レビュー

『ばいばい』は、赤ちゃん向け絵本としてとても優れた一冊だと感じました。まず、シンプルな絵とカラフルなデザインが、視覚的に赤ちゃんを引きつける点が魅力的です。ページをめくるたびに現れる動物や乗り物が「ばいばい」と手を振る様子は、赤ちゃんにとって分かりやすく、言葉の発達を促してくれます。また、親子で「ばいばい」と手を振り合うことで、自然とあいさつの習慣を身につけることができるのも良いポイントです。言葉を覚え始める時期の子どもにとって、楽しみながらコミュニケーションの第一歩を踏み出せるのはとても素晴らしいことです。短い文章の中に、学びと楽しさが詰まった、まつい のりこさんならではの魅力が感じられる絵本でした。

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