
『おばあちゃんのおせち』は、野村たかあき氏が作・絵を手掛け、2008年佼成出版社から発行された絵本です。 物語は、主人公のきりちゃんが初めておばあちゃんのおせち作りを手伝う姿を描いています。商店街での買い出しから始まり、料理の手順やおせち料理に込められた意味を学びながら、家族で昔ながらのお正月を迎える楽しさと温かさが伝わってきます。温もりある版画のイラストが印象的で、巻末には料理研究家・堀江ひろ子さんによるおせち料理の由来の解説も付いています。
略歴
野村 たかあき
野村たかあき氏は、1949年群馬県前橋市生まれの木彫家・絵本作家です。15歳の頃、江戸時代初期の僧・円空の仏像に感銘を受け、木彫を始めました。高校卒業後、印刷会社に勤務しながらデザインを学び、20歳で子どもの遊びをテーマにした木彫の個展を開催。1983年に木彫・木版画工房「でくの房」を開設し、同年『ばあちゃんのえんがわ』で第5回講談社絵本新人賞を受賞。1989年には『おじいちゃんのまち』で第13回絵本にっぽん賞を受賞しています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、3歳から7歳以上の幅広い年齢層の子どもたちにも楽しんでいただける作品です。 特に、お正月や日本の伝統文化に興味を持ち始めた子どもたちに適しています。
レビュー
この絵本は、おせち料理を通じて日本の伝統的なお正月の過ごし方や家族の絆を描いており、現代の子どもたちにとって新鮮で貴重な体験となるでしょう。版画の温かみあるイラストが物語に深みを与え、読者はまるで自分もおせち作りに参加しているかのような臨場感を味わえます。また、料理に込められた意味や由来を知ることで、食文化への理解も深まります。家族で一緒に読みながら、お正月の準備や伝統行事について話し合うきっかけ作りにも最適な一冊です。
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