『カラーモンスター きもちは なにいろ?』(原作名:El Monstruo de Colores)は、スペインの絵本作家アナ・レナスによる2012年出版の絵本です。日本では2020年に出版されました。感情を色で表現するユニークな手法が特徴で、主人公の「カラーモンスター」が混乱した気持ちを少女と一緒に整理していく様子を描いています。モンスターは、うれしい、かなしい、いかり、ふあん、おだやか、などの気持ちを整理することができるでしょうか。絵本を通じて、感情を言葉にすることの大切さや自分の気持ちを理解する力を育むことができます。豊かなイラストと親しみやすいストーリーで、親子で楽しみながら感情の学びを深める一冊です。
略歴
アナ・レナス
アナ・レナス(Anna Llenas)は、スペイン・バルセロナ生まれのイラストレーター、絵本作家、グラフィックデザイナーです。大学で広告とPRを学んだ後、グラフィックデザインを専攻しました。
その後、広告代理店での勤務を経て、イラストレーターとしての道を歩み始めました。また、アートと感情に関する教育の場で教師やアート・セラピストとしても活動しています。彼女の代表作である『カラーモンスター きもちは なにいろ?』は、感情を色で表現し、子どもたちが自分の気持ちを理解しやすくする工夫が施されています。
この作品は世界中で翻訳され、多くの家庭や教育現場で愛されています。
おおとも たけし(訳)
大友剛(おおとも たけし)は、日本の翻訳家、ミュージシャン、マジシャンです。マジックや音楽、絵本の楽しさとメッセージを全国の子どもたちに届ける活動を行っています。また、保育者や図書館司書、教育者向けの公演やセミナーも精力的に開催し、国内外で幅広く活躍しています。翻訳作品には『えがないえほん』(早川書房)、『ねこのピート だいすきなしろいくつ』(ひさかたチャイルド)、『カラーモンスター きもちは なにいろ?』(永岡書店)など多数があります。彼の活動は、子どもたちの創造力や表現力を育むことに寄与しています。
おすすめ対象年齢
対象年齢は、主に3歳から6歳の幼児期の子どもたちとされています。この絵本は、感情を色で視覚的に表現するユニークな方法で、子どもが自分の気持ちを認識し、言葉にする力を養うことを目的としています。未就学児の年齢層に適した簡潔な文章と鮮やかなイラストが特徴で、親子で読み聞かせをしながら感情について話し合うきっかけを作るのに最適です。特に、感情を言葉で表現するのがまだ難しい幼い子どもたちにとって、絵本を通じて感情を整理し理解することは、社会的スキルや自己表現力を育む重要なステップになります。また、小学校低学年の子どもたちにも、感情教育の教材として活用されています。
レビュー
アナ・レナスの『カラーモンスター きもちは なにいろ?』は、感情教育において素晴らしい一冊だと感じました。子どもにとって、自分の感情を理解し表現することは簡単ではありませんが、この絵本はそれを視覚的かつ感覚的にサポートしてくれます。喜びや悲しみ、怒りなどの感情を色で表現するという斬新なアイデアが、子どもたちにとって非常に分かりやすく、共感しやすいです。さらに、カラーモンスターが気持ちを整理していく過程は、読者自身も自分の心の中を見つめる良い機会となります。イラストはシンプルながらも独特で、感情の複雑さを巧みに表現しています。親子で一緒に読みながら話し合うことで、子どもだけでなく大人にとっても新たな発見がありました。この絵本は、単なる読み物にとどまらず、心の成長を促す貴重なツールだと感じます。