『おさるのジョージ うみへいく』(原題:Curious George Goes to the Beach)は、マーガレット&H.A.レイ原作の大人気シリーズの一冊です。アメリカで1999年に出版され、日本では2000年に福本友美子さんの翻訳で岩波書店から刊行されました。
黄色いぼうしのおじさんと一緒にウキウキで海へやって来たジョージ。砂遊びをしたり、カモメにえさをあげたり、海辺で思いっきり夏を満喫します!
でも、そこはやっぱりジョージ。好奇心が抑えきれずに、やっぱり思わぬハプニングを引き起こしてしまいます。けれど、そのドタバタがきっかけで、水に入るのを怖がっていた女の子ベッチィが勇気を出せるようになる展開がとってもドラマチック!夏の海を舞台に、挑戦する勇気や思いやり、外で遊ぶワクワク感を届けてくれる心温まるストーリーです。
略歴
M.レイ
マーガレット・レイ(Margret Rey)さんは、ドイツ・ハンブルク生まれの児童文学作家です。ブラジルでH.A.レイさんと結婚後、パリへ移住し、夫妻で絵本制作を始めました。パリを脱出し、その際に持ち出した原稿が後の『Curious George(ひとまねこざるときいろいぼうし)』となります。アメリカへ渡ってからはH.A.レイとともに「ひとまねこざる」シリーズを数多く発表しました。子どもの好奇心を温かく見守る物語づくりで、現在も世界中で愛され続けています。
H.A.レイ
ハンス・アウグスト・レイ(Hans Augusto Rey)さんは、ドイツ・ハンブルク生まれの絵本作家で、妻のマーガレットさんとともに多くの作品を生み出しました。実は『ひとまねこざる』誕生の裏には壮絶なドラマがあります。第二次世界大戦中、ナチスの追手から逃れるために手作りの自転車でパリを脱出した際、大切に持ち出した原稿こそが、のちに世界中で大大ヒットする『Curious George』(「ひとまねこざる」シリーズ)だったのです。夫妻の危機を救ったジョージは、今や世界中で愛される大人気キャラクターになりました。
福本 友美子(訳)
福本友美子(ふくもと ゆみこ)さんは、日本を代表する児童書翻訳家であり、編集者や評論家としても活躍されている方です。公共図書館で子どもたちに本を届ける仕事に携わったのち、1980年からフリーランスとして児童書の翻訳や編集、書評など幅広く活動をスタートしました。英語圏の絵本や児童文学を中心に数多くの作品を翻訳しており、子どもの心にそっと寄り添うような、読みやすく温かみのある日本語訳に定評があります。代表作には、大人気の『おすわりくまちゃん』や『おやすみくまちゃん』をはじめ、海外の素晴らしい絵本をたくさん日本へ届けてくれました。また、本を訳すだけでなく、子どもたちの読書環境づくりにも情熱を注いでいます。国内外で子どもと本をつなぐ活動にも力を尽くしており、子どもたちの読書文化を現場から支え続けている素敵な翻訳家さんです。
おすすめ対象年齢
対象年齢は3~6歳頃の読み聞かせから、小学校低学年の一人読みにおすすめです。海水浴や砂遊び、カモメへのえさやりなど、子どもが身近に感じられる出来事がたくさん描かれているため、夏のお出かけ前後にもぴったりです。また、泳ぐことが苦手な子や新しいことに挑戦するのが不安な子にも共感しやすく、ジョージやベッチィの姿を通して「やってみよう」という気持ちを自然に育んでくれます。家族で読めば、海での安全や遊び方について話し合うきっかけにもなるでしょう。
レビュー
ジョージの無邪気な可愛さと、夏の解放感が画面いっぱいに広がる爽やかな一冊です!
夢中になって遊ぶジョージの姿を見ているだけで、なんだか潮風の香りや波の音が聞こえてくるような気がしてきます。今回もジョージは騒動を巻き起こしてしまいますが、その失敗がまさかの「誰かの勇気」に繋がっていく展開には思わず胸が熱くなりました。
「失敗しても大丈夫、そこから素敵なことが始まるかも!」という前向きなメッセージが優しく伝わってきて、読み終わったあとは家族で海へ遊びに行きたくなってしまいます。夏の思い出づくりと一緒に、ぜひ親子で開いてほしい名作です!

