カレーライス/小西 英子

作:小西英子さんの絵本『カレーライス』は、みんなが大好きなカレーができるまでの工程を、臨場感たっぷりの擬音と、食欲をそそる美しい絵で描いた一冊です。「カレーライス、さあ、つくろう!」と、お話がスタート!「トントントン」と野菜と肉を切るところから、「ジャー ジャー ジャー」とお肉を炒め、「ジュー ジュー ジュー」と野菜も炒める様子が、テンポ良く進みます。水を入れてじっくり「コトコトコト」と煮込み、ルーを溶かして「クツクツクツ」。さらに煮込む時間も、もう待ちきれません!そして、ついに「わあ、できた! いいにおい!」。丁寧に描かれたツヤツヤのカレーは、本当に湯気とスパイスの香りがしてきそうで、読んでいるだけでお腹がグーッと鳴っちゃいます。2016年に福音館書店の〈幼児絵本シリーズ〉として刊行されました。

略歴

小西 英子

小西英子(こにしえいこ)さんは、1958年に京都市で生まれ、京都市立芸術大学の大学院で日本画を修了された絵本作家さんです。彼女の絵本は、身近な食べ物をテーマにしたものが特に有名で、その写実的でありながら温かみのあるタッチが魅力です。代表作には、『カレーライス』と同じく大人気の『サンドイッチ サンドイッチ』や『おべんとう』、『のりまき』(すべて福音館書店)などがあり、「食べ物絵本の第一人者」と言われています。また、赤ちゃん絵本『まるくて おいしいよ』も非常に人気が高い作品です。彼女の絵は、食材の色、ツヤ、質感、そして「あつあつの温度」までが伝わってくるようで、子どもたちの食への興味を強く引き出してくれます。現在も多くの親子に愛され続けています。

おすすめ対象年齢

この絵本は、主に2歳から4歳くらいのお子さんにおすすめです。擬音語や擬態語がたくさん使われているので、言葉の響きが楽しく、読み聞かせに最適です。特に「トントントン」や「ジュージュー」といった調理の音に合わせて、お子さんと一緒に「お料理ごっこ」をしながら読むと、大いに盛り上がりますよ!カレーの作り方がシンプルでわかりやすく描かれているため、食育の導入としてもぴったりです。この本をきっかけに、「今度、一緒にカレー作ってみようか?」なんて、会話が広がるはずです。

レビュー

小西英子さんの絵本は、本当に「食欲を刺激する天才」だと思います!この『カレーライス』も例外ではなく、ページをめくるたびに、本からカレーのいい匂いが立ち昇ってくるような錯覚に陥ります。特に、具材が「クツクツクツ」と煮込まれていく様子や、ルウが溶けてとろみを増していくお鍋の中の描写は、もう芸術的!写真よりもリアルに、そして愛情たっぷりに描かれているんです。身近な食べ物を通して、調理の過程を知るというのは、子どもにとって最高の食育ですよね。この絵本を読んだ後は、無性に「今日のごはんはカレーライスだ!」と叫びたくなります。子どもたちが「美味しい」と感じる気持ちや、食べ物への興味を育む、パワフルな一冊だと感じました!