ロッド・キャンベルの『おとどけものです』(Dear Zoo)は、子どもたちに人気の「しかけ絵本」で、動物園からさまざまな動物たちが送られてくるお話です。主人公が「ペットをください」とリクエストすると、ゾウ、キリン、ライオンなどが次々と届きますが、いずれも「大きすぎる」「怖すぎる」などの理由で、ふさわしいペットを探し続けます。最終的に、完璧なペットに巡り合うまでのユーモラスで温かい展開が子どもたちの好奇心を引き立てます。
シンプルな言葉と繰り返しのリズムが特徴的で、動物ごとに開く「フラップ」のしかけが子どもたちの興味を引き付け、楽しみながらページをめくることで、学びの喜びも得られます。
ロッド・キャンベルの略歴
ロッド・キャンベル(Rod Campbell)は、1945年にスコットランドで生まれたイギリスの絵本作家であり、特に幼児向けのインタラクティブな仕掛け絵本で広く知られています。大学では生物学を専攻し、科学的知識を持ちながら、教育や幼児向けの文学に興味を持つようになりました。1982年、代表作『Dear Zoo』(日本語訳:『おとどけものです』)を出版。この作品は仕掛け絵本として親子で楽しめる内容で、多くの国で愛され続けています。キャンベルの絵本は、幼児が直感的に楽しめるシンプルで明確なイラストと、繰り返しのある文章が特徴で、感覚的な遊びや教育的要素を取り入れています。彼は絵本作家としてだけでなく、自身の出版社を設立し、多くの作品を手がけました。特に幼児の発達や興味を深く理解し、長年にわたり子どもたちに喜ばれる絵本を作り続けています。
おすすめ対象年齢
1歳から3歳向けの絵本で、しかけを楽しむことで子どもたちの好奇心や発見の喜びを促します。
レビュー
『おとどけものです』は、しかけ絵本の楽しさが詰まった作品で、子どもたちが「次はどんな動物が届くんだろう?」とワクワクしながらページをめくる姿が印象的です。シンプルな言葉とリズミカルな展開が小さな子どもたちにとって心地よく、繰り返し楽しめる絵本です。特に、動物たちが登場するたびに「これはどうかな?」と期待を膨らませ、最後にふさわしいペットが見つかる喜びは、子どもたちにぴったりの幸せな結末です。
ロッド・キャンベルは『おとどけものです』について、「シンプルなストーリーで子どもたちに参加してもらい、驚きや発見を感じてもらうことを大切にした」と語っています。彼は幼い読者がしかけを通じて楽しみながら、想像力をふくらませることを願っていました。この絵本が何十年も愛されることで、彼の意図がしっかりと受け入れられていることを喜んでいるそうです。