たべたのだあれ/五味 太郎

五味太郎さんの『たべたのだあれ』(1981年発行)は、子どもたちに大人気のしかけ絵本です。ユニークな動物たちが登場し、「食べたのはだれ?」という問いかけを通じて、楽しみながら推理や観察力を育む内容となっています。ページをめくると答えが現れる仕掛けは、親子での読書時間をより楽しいものにします。五味太郎さんの独特なイラストとユーモラスな構成が光る作品で、絵本初心者にもぴったりです。シンプルな繰り返しの構成は、子どもが自然に参加しやすく、絵本を通じて会話を楽しむきっかけにもなります。遊びと学びを同時に体験できる、日本の絵本の名作です。

五味太郎の略歴

五味太郎(ごみたろう)は、1945年、東京都に生まれた日本を代表する絵本作家であり、グラフィックデザイナーでもあります。東京藝術大学美術学部工芸科を卒業後、広告デザインやグラフィックの仕事に携わり、その後絵本の制作を始めました。1977年に初の絵本『みんなうんち』を発表し、ユニークな視点とシンプルで大胆なデザインが評価され、多くの読者に愛される作家となりました。
代表作には『きんぎょが にげた』『かずのえほん』『たべたの だあれ』などがあり、その多くが世界中で翻訳・出版されています。

五味さんの作品は、明確でわかりやすいイラストと、遊び心あふれる構成が特徴で、幼児から大人まで幅広い層に支持されています。また、創作の傍らでエッセイ執筆やワークショップも行い、子どもたちとの対話を通じて創作活動を続けています。彼の絵本は、視覚的な楽しさとともに子どもの創造力を育むことを目的とし、多くの作品が日本国内外でロングセラーとなっています。

おすすめ対象年齢

『たべたのだあれ』の対象年齢は、おおよそ2歳から4歳の幼児期が適しています。この絵本は、シンプルな繰り返しの構成や、動物たちのユニークなイラストが特徴で、幼い子どもたちが飽きずに楽しめる内容となっています。また、めくると答えが現れるしかけが好奇心をくすぐり、親子で楽しく読み進めることができます。観察力や推理力を育む要素が含まれているため、読み聞かせや初めての絵本にも最適です。

レビュー

五味太郎さんの『たべたのだあれ』は、ユーモアと工夫にあふれた素晴らしい絵本だと感じました。動物たちの表情やデザインがとてもユニークで、子どもだけでなく大人も引き込まれます。「食べたのはだれ?」という問いかけを中心に、シンプルながらも展開にワクワク感があり、次のページをめくりたくなる仕掛けが秀逸です。また、繰り返しの構成が子どもに安心感を与え、自分でも参加して答えたくなるような工夫がされています。親子でのコミュニケーションが自然と生まれるところも、この絵本の魅力です。五味太郎さんのイラストは、シンプルながらも大胆で印象的であり、子どもたちの目を引きつけます。この絵本は、学びと遊びを融合させた傑作で、初めての絵本にもぴったりだと思います。

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