
長新太作さんの絵本『なにをたべたかわかる?』は、1977年に初版が出版され、その後絶版となりましたが、2003年に絵本館より装丁デザインを一新して復刊されました。物語は、猫が大きな魚を釣り上げ、重さに苦労しながら運ぶ場面から始まります。猫が知らないうちに、その魚は近づく動物たちを次々と飲み込んでいきます。魚がどんどん大きくなる理由に猫は気づかず、物語はユーモラスかつナンセンスな展開で進行します。
略歴
長 新太
長 新太(ちょう しんた,1927年 – 2005年)さんは、日本の漫画家・絵本作家・エッセイスト。東京都大田区出身。戦後、映画館の看板屋を経て、1948年に東京日日新聞の漫画コンクールで入選し、漫画家としてデビュー。その後、絵本作家としても活動を広げ、『ごろごろにゃーん』、『ぼくのくれよん』、『タコのバス』などユーモアあふれる作品を発表し、子どもから大人まで広く愛されました。1959年に文藝春秋漫画賞を受賞し、1994年には紫綬褒章を受章。2005年には『ないた』で日本絵本賞大賞を受賞。享年77歳。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、3歳から小学校低学年までが適しているとされています。物語のシンプルさと繰り返しの展開、そして予想外の結末が子どもたちの興味を引き、笑いを誘います。また、読み聞かせにも適しており、子どもたちの想像力を刺激する内容となっています。
レビュー
本作は、長 新太さんの独特のユーモアとナンセンスの世界が存分に発揮された作品です。猫が釣り上げた魚が次々と動物を飲み込むという奇想天外な展開は、子どもだけでなく大人も楽しめる内容となっています。物語の進行とともに魚が大きくなっていく様子や、猫のとぼけた態度が笑いを誘います。また、シンプルながらも力強いイラストが物語を引き立てており、読み終えた後も何度も繰り返し楽しめる一冊です。