『いぬとくま いつもふたりは』(原題:Dog and Bear)は、アメリカの絵本作家ローラ・ヴァッカロ・シーガーさんによる、心あたたまるショートコメディ。2007年にアメリカで初版発行、日本語版は2008年にクレヨンハウスから出版されました。元気でちょっとお調子者の「いぬ」と、のんびり屋だけど優しくて賢い「くま」が繰り広げる日常は、思わずクスッと笑ってしまうやりとりばかり。「あそぼ!」と誘ったいぬが最後には「本読んで!」って…やっぱり仲良しっていいなと思える1冊です。全3話の読みやすい構成で、声に出して読んでも楽しい絵本です。
略歴
ローラ・ヴァッカロ・シーガー
ローラ・ヴァッカロ・シーガー(Laura Vaccaro Seeger)さんは、アメリカ・ニューヨーク在住の絵本作家・イラストレーター。長年テレビのアニメーション制作やデザインに携わった後、絵本作家としてデビュー。『いぬとくま』シリーズをはじめ、『First the Egg』『Lemons Are Not Red』などでコルデコット・オナーやニューヨーク・タイムズ・ベストイラスト賞など、数々の賞を受賞しています。彼女の絵本は、ユーモアと温かさ、そして独特の色彩感覚が魅力です。
落合 恵子(訳)
落合 恵子さんは、日本の著名なエッセイスト・司会者・翻訳家で、子どもの本の翻訳も数多く手がけています。テレビ番組の司会を長年務める一方、児童文学の紹介や朗読活動を通じて、多くの親子に読書の魅力を届けてきました。『悲しみのゴリラ』の訳も、繊細な感情に寄り添いながら、自然で丁寧な日本語へと紡ぎ出しています。やさしく、子どもの目線に立った訳語選びが読む者の心に響きます。
おすすめ対象年齢
この絵本は、3歳頃から小学校低学年くらいまでの子どもたちにおすすめです。短くて親しみやすいストーリーと、わかりやすいセリフまわしで、読み聞かせにもぴったり。小さな子でも楽しめるユーモアと、ちょっと深い気づきが詰まっています。
レビュー
「いぬ」と「くま」の、ちょっとズレたようでぴったりのやりとりに、思わず笑ってしまいました。特に本を読んでいるくまを無理やり巻き込もうとするいぬの一生懸命さがかわいくて、ほっこり。最後に「本読んで!」とくまの好きなことに寄り添う流れも素敵です。キャラクター同士の個性が際立っていて、大人が読んでも楽しめる絵本。テンポよく読める全3話構成で、繰り返し読みたくなる一冊です。シリーズで他の作品も読んでみたくなりました。