『ハトにうんてんさせないで。』は、モー・ウィレムズ作・絵、中川ひろたか訳のユーモア絵本。原題は Don’t Let the Pigeon Drive the Bus!。2003年にアメリカで初版、2005年にエムオン・エンタテインメントから日本語版が出版されました。
ある日、バスの運転手がちょっと席を外す間、「ハトに運転させないでね」と読者にお願い。でも、ハトはあの手この手でお願いしてきて…!子どもたちは「だめー!」と言うのが楽しくて、参加しながら読み進められます。シンプルな絵とやりとりがクセになる、参加型の絵本です。
略歴
モー・ウィレムズ
モー・ウィレムズ(Mo Willems)は1968年、アメリカ・イリノイ州生まれの絵本作家・アニメーター。大学卒業後、子ども向け番組『セサミストリート』で脚本家として活動し、エミー賞を多数受賞。2003年の絵本『Don’t Let the Pigeon Drive the Bus!(ピジョンにバスを運転させないで)』で絵本作家としてデビューし、ユーモアとシンプルな線画で注目を集めます。「ぞうさん・ぶたさん」シリーズは代表作の一つで、全米図書館協会からも高く評価されています。
中川 ひろたか(訳)
中川ひろたかさんは1954年埼玉県生まれ。シンガーソングライター、絵本作家、保育士などさまざまな顔を持つクリエイター。1995年に『さつまのおいも』でデビュー。また『ないた』で日本絵本賞受賞。モー・ウィレムズ作品をはじめ、翻訳絵本も多く手がけ、独自のユーモアある語り口が魅力。さらに作曲された『世界中のこどもたちが』などの歌が、保育現場でも広く親しまれています。
おすすめ対象年齢
対象年齢は3歳ごろから。文字が少なく、ハトと読者のやりとりを楽しむスタイルなので、声に出して読むのにぴったり。年齢が上がると、ハトの細かい表情やセリフのユーモアも感じ取れるようになり、小学生でも楽しめます。
レビュー
読者参加型ってこんなに楽しいのか!と驚かされる絵本です。ハトのお願いはどれも必死で、でもちょっとずるくて笑ってしまいます。ついつい応援したくなったり、「それはダメ!」とつっこみたくなったり。子どもと一緒に声を出して読むと、会話が自然に生まれるのも魅力。読み終えたあとの「ハト、結局どうなった?」というオチにもニヤリとさせられます。テンポよく、何度も読みたくなる一冊です。