どしゃぶりのひに/きむら ゆういち

『どしゃぶりのひに』は、きむらゆういちさん作、あべ弘士さん絵による「あらしのよるに」シリーズの第5巻で、2000年に講談社から出版されました。オオカミのガブとヤギのメイは、種族を超えた友情を育んでいますが、その関係が仲間たちに知られてしまいます。仲間たちからの非難や疑念にさらされながらも、二匹は友情を守ろうと奮闘します。「いちばんこわいのは、きみのやさしさ。」というキャッチコピーが印象的な、心に響く物語です。

略歴

きむら ゆういち

きむら ゆういちさん(本名:木村 裕一)は、1948年東京都生まれ。多摩美術大学を卒業後、造形教育の指導やテレビ幼児番組のアイディアブレーンなどを経て、絵本・童話作家として活躍されています。代表作には『あらしのよるに』シリーズ(講談社)や『あかちゃんのあそびえほん』シリーズ(偕成社)などがあり、国内外で1000冊以上の著書があります。『あらしのよるに』で講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞を受賞。また、純心女子大学の客員教授も務められています。

あべ 弘士(絵)

あべ 弘士(あべ ひろし)さんは1948年北海道旭川市生まれ。高校卒業後、旭山動物園の飼育員として25年間勤務し、その経験を活かして絵本作家へ転身。動物のリアルな描写や、力強くもやさしい絵が特徴で、『あらしのよるに』や『ゴリラにっき』など数々の作品を発表。1995年に『あらしのよるに』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。現在も北海道を拠点に、動物のいのちや自然をテーマに創作を続けています。

おすすめ対象年齢

『どしゃぶりのひに』は、5歳から小学校低学年の子どもたちにおすすめの絵本です。文字数が多めで、ストーリーも深みがあるため、読み聞かせでは5歳頃から、一人読みでは小学校低学年からが適しています。登場キャラクターの心の葛藤や友情の大切さを感じ取ることができ、成長段階に応じてさまざまな気づきを得られる作品です。

レビュー

この作品では、ガブとメイの友情が試される場面が描かれており、読んでいて胸が締め付けられるような思いになりました。仲間たちからの非難や疑念にさらされながらも、二匹が友情を守ろうとする姿に感動しました。あべ弘士さんの力強くも繊細なイラストが、登場キャラクターの心情を見事に表現しており、物語に引き込まれました。ガブとメイの関係がどうなっていくのか、続きが気になる一冊です。