おとうさんおかえり/マーガレット・ワイズ・ブラウン

『おとうさんおかえり』は、マーガレット・ワイズ・ブラウン作、スティーヴン・サヴェッジ絵、さくまゆみこ訳の絵本です。原作名は『The Fathers Are Coming Home』で、アメリカで発行されました。日本語版は2011年にブロンズ新社から出版されています。この絵本は、さまざまな動物の父親たちが家族のもとへ帰る様子を描いており、温かい家庭の絆を感じさせる作品です。シンプルな言葉と優しいイラストが特徴で、親子での読み聞かせに最適です。

略歴

マーガレット・ワイズ・ブラウン

マーガレット・ワイズ・ブラウン(Margaret Wise Brown, 1910-1952)は、アメリカを代表する児童文学作家で、多くの子どもたちに愛される絵本を生み出しました。特に『おやすみなさい おつきさま』(Goodnight Moon)は、彼女の代表作として知られています。ニューヨーク生まれのブラウンは、幼少期から動物や自然への関心を持ち、のちにホリンズ大学で教育を学びました。後、教師として働きながら執筆活動を開始。彼女の作品は、シンプルでリズミカルな言葉遣いと、子どもの感性を捉えた内容が特徴です。若くして急逝しましたが、その作品は今もなお、多くの読者に親しまれています。

スティーヴン・サヴェッジ(絵)

スティーヴン・サヴェッジは、アメリカのイラストレーターで、数々の絵本を手がけています。彼の作品は、シンプルで洗練されたデザインと鮮やかな色使いが特徴で、子どもたちに親しみやすいスタイルです。また、広告や雑誌のイラストレーションなど、多方面で活躍しています。

さくま ゆみこ(訳)

東京都出身、1947年生まれのさくまゆみこ(作間 由美子)さんは、もともと出版社で編集者として活躍後、イギリスへ留学し児童文学を学んだ経歴の持ち主。帰国後はフリーの編集者・翻訳家として、子どもの本を中心に、絵本からYA小説、研究書までなんと 250冊以上を翻訳されています。翻訳だけにとどまらず、『エンザロ村のかまど』など著書も手掛け、産経児童出版文化賞大賞を受賞。日本国際児童図書評議会(JBBY)の前会長を務め、「アフリカ子どもの本プロジェクト」代表として、アフリカ諸国への本の寄贈や文化交流活動も行っています。現在は大学の非常勤講師や後進の育成にも関わりつつ、世界中の子どもたちに本の魅力を届ける“子どもの本界の風雲児”的存在。語りかけるような自然な訳文が親子世代から厚く支持されており、翻訳絵本界のカリスマとして知られています。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、3歳から5歳程度の幼児期の子どもたちに適しています。シンプルなストーリーと優しいイラストが、小さな子どもたちの興味を引き、親子での読み聞かせに最適です。

レビュー

『おとうさんおかえり』は、さまざまな動物の父親と子どもの絆を温かく描いた作品で、読み終えた後に心が温まる一冊です。マーガレット・ワイズ・ブラウンのシンプルでリズミカルな文章と、スティーヴン・サヴェッジの優しいイラストが見事に融合し、親子での読み聞かせに最適な絵本となっています。特に、父親が家に帰る喜びや家族の大切さを感じられる内容で、子どもたちに安心感を与えるでしょう。