とんで とんで サンフランシスコ/ドン・フリーマン

ドン・フリーマンさん作・絵、山下明生さん訳の絵本『とんで とんで サンフランシスコ』。この絵本は、美しい街サンフランシスコを舞台に、ちょっと変わった場所に巣を作ったハトのシッドとパートナーのラブストーリーを描いています。霧と花とケーブルカーが印象的な街並みが、やわらかいタッチで描かれていて、見ているだけで旅をしているような気分になりますよ。初版原題は『Fly High, Fly Low』、初版発行国はアメリカ、初版発行年は1958年で、日本語版は2005年にBL出版から出版されています。1958年にはコールデコット賞オナーブックにも選ばれた、世界中で愛されている名作です。

略歴

ドン・フリーマン

ドン・フリーマン(Don Freeman, 1908-1978)は、アメリカ出身の画家・絵本作家・イラストレーター。ニューヨークで画家として活動したのち、1950年代以降、児童書や絵本の執筆・挿絵を多数手がけました。代表作といえばまず『Corduroy』(日本語版『くまのコールテンくん』)が長年にわたって親しまれており、全米教育協会「教師が選ぶ子ども向け本TOP100」にも選ばれています。続編として1978年に『コーちゃんのポケット』(A Pocket for Corduroy)も書かれ、絵本だけでなく、背景にニューヨークの街や人々への観察眼からくる静かな感情描写がある点が高く評価されています。

やましたはるお(訳)

山下明生(やました はるお)氏は、1937年、東京に生まれ瀬戸内海の広島県能美島で育ちました。広島県立大柿高等学校を経て、京都大学文学部仏文学科を卒業後、上京してあかね書房に入社し、児童書の編集に携わりました。その後、同人誌「こだま」に参加したことを機に創作活動に専念します。1973年に『うみのしろうま』で野間児童文芸推奨作品賞、1975年に『はんぶんちょうだい』で小学館文学賞を受賞するなど、多くの作品で高い評価を得ています。また、「バーバパパ」シリーズの翻訳者としても知られています。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、だいたい4歳から7歳くらいのお子さんにおすすめです。物語の展開が少し複雑な部分もありますが、絵がとても魅力的で、子どもたちの好奇心をかき立ててくれます。美しいサンフランシスコの街並みや、ハトのシッドの気持ちの動きを、親御さんが読み聞かせで丁寧に伝えてあげると、より深く楽しめると思います。物語を通して、相手を思う気持ちの大切さも学べる一冊です。

レビュー

この絵本、本当にサンフランシスコの街並みが素敵に描かれていて、一度訪れてみたくなります。特に、霧が街を覆うシーンや、ケーブルカーの絵は、独特の雰囲気があって心を奪われました。ハトのシッドが、パートナーをひたすら探す姿には胸が熱くなりますし、どんな困難があっても諦めない姿がとても健気で、心から応援したくなりました。ドン・フリーマンさんの絵は、動物や街の表情が豊かで、言葉がなくても物語が伝わってくるようです。最後の再会のシーンは、心温まる感動でいっぱいになりました。