いってかえって星から星へ/佐藤 さとる

『いってかえって星から星へ』(作:佐藤さとる/絵:田中清代、2000年 ビリケン出版)は、銀河の果てからやってきた宇宙船が光よりも早く旅して戻る――そんなワクワクとユーモアが詰まった仕掛け絵本です。通常の「星へ行くお話」かと思いきや、ページをくるっとひっくり返すと「星にかえるお話」が同じ絵で始まるんです。同じ風景が行きと帰りで違って見える、まるで魔法みたいな驚き体験。宇宙を旅をしながら、子どもも大人もページをめくるごとにドキドキしちゃう、絵と言葉が見事に融合した遊び心満点の一冊です。

略歴

佐藤 さとる

佐藤さとるさん(本名:佐藤暁、1928–2017)は、神奈川県横須賀市ご出身の日本を代表する童話作家です。関東学院工業専門学校建築科卒業後、小学校教員や編集者などを経て、1959年に『だれも知らない小さな国』で作家としてデビューし、大ヒット。その後、日本のファンタジー童話における金字塔『コロボックル物語』シリーズをはじめ、多くの作品を世に送り出しました。文学賞も数多く受賞し、日本児童文学界に革新をもたらしました。

田中 清代(絵)

田中清代(たなか きよ)さんは1972年神奈川県生まれ、多摩美術大学で油彩と版画を学びました。在学中から絵本制作をスタートし、1995年にボローニャ国際絵本原画展でユニセフ賞、翌年には入選するなど国際的にも注目。デビュー作は1997年の『みずたまのチワワ』(文:井上荒野/福音館書店)。その後も銅版画の温かいタッチを活かした、『おきにいり』、『おばけがこわいことこちゃん』、『トマトさん』など多彩な作品を発表。また、自作で描いた『ひみつのカレーライス』や、再話を担当した『小さいイーダちゃんの花』なども人気です。2018年出版の『くろいの』では、日本絵本賞大賞や小学館児童出版文化賞など数々の賞を受賞し、今なお評価され続ける絵本作家です。

おすすめ対象年齢

この絵本は、4歳~小学校低学年くらいのお子さんにぴったりです。仕掛けが楽しく、ページをくるりと返す驚き体験は子どもの感覚にフィットします。一方で「光よりも早く」といったちょっとしたSF要素もあるので、親子で一緒に想像力を膨らませながら楽しめる内容です。何度も繰り返して読めるリプレイ性も魅力!

レビュー

この絵本、ほんと遊び心が最高です!「行って帰って」って仕掛け、子どものころに戻ったみたいなワクワクが止まりません。未来と過去を行き来するような宇宙船の旅に、読みながら自分も一緒に乗っかってしまいました。絵は田中清代さんらしい柔らかさと丁寧さがあって、宇宙の広がりがじんわり伝わってくるのも心地よいです。仕掛けの楽しさだけじゃなく、SFっぽいロマンもあって、大人にも刺さります。読んだ後にもう一度最初から読みたくなるリピート絵本の決定版です。