うがいライオン/ねじめ 正一

『うがいライオン』(文:ねじめ正一/絵:長谷川義史/2010年 鈴木出版)は、動物園の“百獣の王”ライオンが主役。堂々とした姿でお客さんを魅了する彼にも、ちょっとおちゃめな一面が…。ときには転んでみたり、なんと「うがい」までしちゃう!ページいっぱいに広がる大胆な絵と、声に出して読みたくなるリズミカルな文章がクセになります。見た目は勇ましいけれど、どこか親しみやすくて、クスッと笑える魅力たっぷりの絵本です。

略歴

ねじめ 正一

ねじめ正一(ねじめ・しょういち)さんは1948年、東京生まれ。詩人・作家として活躍し、詩集『ふ』でH氏賞、小説『高円寺純情商店街』で直木賞を受賞。下町的で人情味ある視点から作品を紡ぐのが特徴。エッセイやラジオ出演も多く、子ども向けの詩や絵本にも数多く関わっています。絵本では『わがままいもうと』『ずんずんばたばたおるすばん』なども知られています。

長谷川 義史(絵)

長谷川義史(はせがわよしふみ)さんは、1961年大阪府藤井寺市生まれ。 ​グラフィックデザイナーからイラストレーターを経て、2000年に『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』で絵本作家としてデビューしました。 ​2003年には『おたまさんのおかいさん』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。​また、2008年には『ぼくがラーメンたべてるとき』で日本絵本賞と小学館児童出版文化賞を受賞するなど、多くの作品で高い評価を得ています。

おすすめ対象年齢

『うがいライオン』は、3歳ごろから小学校低学年くらいまで楽しめます。言葉のリズムが軽快で、読み聞かせにぴったりな一冊。絵もダイナミックでユーモアがあり、初めての絵本にもぴったり。大人も子どもも一緒に笑える内容です。

レビュー

ライオンの「うがい」って、発想だけで笑っちゃいました。強そうでカッコいいけど、ちょっとヘンテコでかわいくて、そんなギャップがたまらない!ねじめ正一さんのリズム感あふれる言葉は耳に心地よくて、何度でも声に出して読みたくなります。そして長谷川義史さんの絵がまた最高。迫力満点なのに笑えるし、細かいところもユニークで、大人もじっくり楽しめます。日常の中にちょっとしたユーモアをくれる、読むだけで気分がふわっと明るくなる絵本です。