リサとガスパールのちいさなともだち/アン・グットマン

アン・グットマン作、ゲオルグ・ハレンスレーベン絵による『リサとガスパールのちいさなともだち』(原作名:Gaspard Et Lisa – Brioche)は、フランスで出版された愛らしい絵本です。日本ではシリーズの人気が高まる中で2008年に翻訳されました。リサとガスパールが学校の先生からモルモットを預かることから物語が展開します。彼らが一緒に過ごす中で巻き起こる小さな騒動や冒険が、ユーモアたっぷりに描かれています。モルモットのお世話を通じて、二人が責任や優しさを学ぶ姿が微笑ましく、子どもたちにとっても共感しやすい内容です。ゲオルグ・ハレンスレーベンのイラストが温かみを加え、読後にほっこりとした気持ちになれる一冊です。

略歴

アン・グットマン

アン・グットマン(Anne Gutman)は、1970年にフランス・パリで生まれた絵本作家です。小説家であった父親の影響を受け、幼少期から創作活動に興味を持ちました。デザイナーとして出版社で勤務していた際、画家のゲオルグ・ハレンスレーベンと出会い、結婚しました。夫の助言を受けて作家活動を本格化し、彼と共に絵本制作を開始しました。主に文章と装丁を担当し、1999年に「リサとガスパール」シリーズを発表しました。このシリーズは世界的なベストセラーとなり、続いてコアラの女の子を主人公とした「ペネロペ」シリーズも手がけました。「ペネロペ」シリーズは『うっかりペネロペ』としてアニメ化され、日本でも高い人気を博しています。アン・グットマンの独特の文体と感動的なストーリーテリングで、多くの読者に愛されています。彼女の作品は、世界中で翻訳され、多くの子どもたちに読み聞かせされています。

ゲオルク・ハレンスレーベン(絵)

ゲオルク・ハレンスレーベン(Georg Hallensleben)は、1958年にドイツのヴッパータルで生まれた絵本画家です。 幼少期から水彩画に親しみ、高校卒業後に絵本の挿絵の仕事を始めました。 その後、パリでデザイナーとして活動していたアン・グットマンと出会い、結婚。以降はアンと共に絵本制作を行い、主にイラストを担当しています。 代表作として、架空の動物を主人公にした「リサとガスパール」シリーズや、コアラの女の子が主人公の「ペネロペ」シリーズがあり、これらの作品は世界中で愛されています。

石津 ちひろ(訳)

石津ちひろ(いしづ ちひろ)は、1953年に愛媛県で生まれた詩人、絵本作家、翻訳家です。 早稲田大学文学部仏文科を卒業後、3年間フランスに滞在し、その後、絵本作家や翻訳家として活動を開始しました。 自身の作品としては、『なぞなぞのたび』(絵:荒井良二、フレーベル館)でボローニャ児童図書展絵本賞を受賞し、『あしたうちにねこがくるの』(絵:ささめやゆき、講談社)で日本絵本賞を受賞しています。 また、詩集『あしたのあたしはあたらしいあたし』(理論社)で三越左千夫少年詩賞を受賞するなど、多方面で活躍しています。 翻訳家としては、「リサとガスパール」シリーズ(ブロンズ新社)など、多くの作品を手がけています。

おすすめ対象年齢

『リサとガスパールのちいさなともだち』の対象年齢は、おおよそ3歳から6歳の幼児から就学前の子どもたちに適しています。簡潔で親しみやすいストーリー展開とかわいらしいイラストが、小さな子どもたちの興味を引きつけます。大人が読み聞かせる形式にもぴったりです。友情や思いやり、責任感といったテーマが自然に伝わる内容となっており、親子で楽しく読める絵本です。

レビュー

この絵本は、リサとガスパールがクラスにやってきた新しい友だち、モルモットの「ブリオッシュ」を週末に交代で家に連れて帰ることになります。リサの番が来て、彼女はブリオッシュと一緒に過ごすことを楽しみにしていますが、思わぬハプニングが起こります。この物語は、子どもたちに責任感や思いやりの大切さを教えてくれる内容となっています。子どもたちは、動物のお世話を通じて学ぶ責任感や、他者を思いやる心の大切さに気づかされるでしょう。この絵本を通じて、子どもたちが身近な動物や友だちとの関係を見つめ直し、より優しく成長できるのではないかと思いました。親子で笑顔になれる、愛らしい絵本です!

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