『ぎーこんぎーこん』は、とよたかずひこさんが描く親子のあたたかい時間を切り取った絵本です。お父さんと子どもが一緒に公園のブランコに乗り、心地よいリズム「ぎーこん ぎーこん」に揺られる様子が描かれています。ゆったりとした言葉のくり返しと、シンプルで温かな絵が、小さな子どもたちを安心させてくれる一冊です。気持ちよく揺れるうちに、親子でうとうと眠くなってしまう場面もほほえましく、読む人の心も自然と穏やかに。1997年に岩崎書店より刊行されて以来、読み聞かせでも人気の作品です。
略歴
とよた かずひこ
とよたかずひこ(本名:豊田 一彦)さんは、1947年、宮城県仙台市に生まれました。早稲田大学第一文学部を卒業されています。大学卒業後はフリーのイラストレーターとして活動し、長女の誕生をきっかけに絵本作家へと転身しました。1997年には『でんしゃにのって』で厚生省中央児童福祉審議会児童文化財特別推薦を受け、2001年には『どんどこ ももんちゃん』で第7回日本絵本賞を受賞しています。また、『あめですよ』は小学1年生の国語教科書(東京書籍)に採用されるなど、多くの作品が親しまれています。
おすすめ対象年齢
『ぎーこんぎーこん』は、0歳から3歳くらいの子どもにおすすめの絵本です。短い言葉のくり返しとわかりやすいリズム感が、まだ言葉を覚え始めた小さな子にも心地よく響きます。また、親子でのスキンシップを感じられる内容なので、読み聞かせの時間にぴったり。赤ちゃんの初めての絵本としても人気があります。
レビュー
この絵本を読んでいると、本当にブランコの上で風を感じながら揺れているような心地よさに包まれます。「ぎーこんぎーこん」という繰り返しの音が、子どもだけでなく大人の心までゆるめてくれるのが魅力です。お父さんと子どもが一緒にブランコに揺れるシーンは、とてもシンプルなのに深い安心感があり、読んでいて自然に笑顔になってしまいます。小さな子に読んであげると、声のリズムに合わせて体を揺らしたり、眠たくなったりする姿もかわいらしいです。親子での大切な時間をさらにあたたかくしてくれる一冊だと思います。