おばけえん/最上一平

『おばけえん』は、最上一平作、カワダクニコ絵による絵本で、2020年に教育画劇から出版されました。物語は、引っ越し先で「おばけえん」に通うことになったあゆむくんが、最初は怖がりながらも、おばけたちと遊ぶうちに新しい環境に馴染んでいく様子を描いています。新しい環境になじめない子どもの心情を描き、ユーモラスな絵で、そんな子どもたちにエールを送るような絵本です。

略歴

最上一平

最上一平(もがみ・いっぺい)は、1957年山形県生まれの児童文学作家です。『銀のうさぎ』で日本児童文学者協会新人賞、『ぬくい山のきつね』で新美南吉児童文学賞、『じぶんの木』でひろすけ童話賞、『たぬきの花よめ道中』で日本絵本賞を受賞しています。趣味は魚釣りで、山奥の川でひとりで釣りをしていると、時どきおばけがやってくるそうです。

カワダクニコ(絵)

カワダクニコは、1978年東京都生まれのイラストレーター・絵本作家です。日本大学芸術学部卒業後、デザインの仕事をしながらイラストレーターとして活動を開始しました。2011年に第17回おひさま大賞優秀賞を受賞し、その後『ねこのにゃーた』で絵本作家としてデビューしました。彼女の作品は、温かみのある色彩とユーモラスなキャラクター描写が特徴で、子どもだけでなく大人にも愛されています。これまでに『にゃんたる刑事』、『おうちくん』、マクドナルドのハッピーセットの絵本『ワニくんのながいかお』など、数多くの作品を発表しています。また、カワダクニコの描くイラストは、日常の中にある小さな幸せを感じさせるとともに、読者をほっこりとした気持ちにさせる魅力があります。特に動物や子どもをモチーフとした作品が多く、読者に親しみやすい世界観を提供しています。現在も精力的に新作を発表し続けており、その独自のスタイルは広く評価されています。

おすすめ対象年齢

『おばけえん』の対象年齢は3歳から4歳以上とされています。新しい環境への不安や戸惑いをテーマにしており、幼稚園や保育園に通い始める時期の子どもたちに特におすすめです。読み聞かせにも最適で、親子で一緒に新しい体験について話し合うきっかけを提供してくれる一冊です。

レビュー

この絵本は、新しい環境に対する子どもの不安や恐怖心を、おばけというユーモラスなキャラクターを通じて優しく描いています。あゆむくんが積み木の箱に隠れる場面や、おばけたちと電車ごっこを楽しむシーンは、子どもたちの共感を呼び、読者に安心感を与えます。カワダクニコさんの柔らかく温かみのあるイラストレーションが物語を引き立て、読み聞かせにも最適な一冊です。

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