ジャイアント・ジョン/アーノルド・ローベル

『ジャイアント・ジョン』は、アーノルド・ローベル作・絵、福本友美子さん訳による絵本です。原題は『Giant John』で、1964年にアメリカのハーパー&ロウ社から初版が発行されました。日本語版は2004年に文化出版局から出版されています。物語は、魔法の森で暮らす心優しい巨人・ジョンが、お母さんのために仕事を探しに出かける冒険を描いています。ユーモラスで温かみのある絵が、物語の雰囲気を一層引き立てています。

略歴

アーノルド・ローベル

アーノルド・スターク・ローベル(Arnold Lobel、1933年 – 1987年)は、ロサンゼルス生まれの画家兼作家。プラット美術学校卒業後、児童書を中心に執筆・イラストを手がけました。代表作は「がまくんとかえるくん」シリーズ(1970‑79年)、Caldecott Honor『ふたりはともだち』、Newbery Honor『ふたりはいつも』、Caldecott Medal『ローベルおじさんのどうぶつものがたり』など、多くの賞を受賞。子どもの心に寄り添う優しいタッチとユーモアを織り交ぜた作風は、現代でも愛され続け、1970~80年代にかけ日本でも翻訳・出版が進みました。

福本 友美子(訳)

福本友美子(ふくもと ゆみこ、1951年東京都生まれ)さんは、慶應義塾大学文学部図書館・情報学科を卒業後、調布市立図書館で児童サービスに携わりました。1980年からフリーランスで児童書の翻訳や批評、編集に取り組み、英語圏を中心とした児童文学の翻訳に定評があります。代表作に『おすわりくまちゃん』や『おやすみくまちゃん』、『リディアのガーデニング』などがあります。また、国際子ども図書館の活動やケニアでの図書館設立プロジェクトにも貢献し、子どもの読書普及や翻訳を通じて幅広く活動を続けています。

おすすめ対象年齢

対象年齢は4歳から7歳頃で、絵本の読み聞かせに最適です。物語の中で、ジョンが困難に立ち向かう姿や、友情の大切さを学ぶことができます。また、ローベルの独特なイラストが、子どもたちの想像力をかき立てます。

レビュー

『ジャイアント・ジョン』は、ただの「大きな男の子」の物語ではありません。彼の優しさ、勇気、そして他者を思いやる心が、ページをめくるたびに伝わってきます。特に、ジョンが母親に対する愛情を示す場面は、心に残ります。ローベルのイラストは、シンプルでありながら深い感情を表現しており、大人が読んでも温かい気持ちになれる作品です。