おーい かばくん/中川 いつこ

『おーい かばくん』(詞/中川いつこ 絵/あべ弘士 曲・歌/中川ひろたか・2007年・ひさかたチャイルド)は、幼児向け番組「ひらけ!ポンキッキ」などで親しまれた名曲をもとにしたCD付き絵本です。のんびりしたカバくんの表情がなんとも味わい深く、見ているだけでほっこり。あべ弘士さんの力強くて優しいタッチが、カバくんの魅力をたっぷり引き出しています。歌と絵が一体となって、子どもも大人も癒される一冊です

略歴

中川 いつこ(詩)

中川いつこさんは、童謡や子ども向けの詩を手がける作詞家。代表作には『おーい かばくん』のほか、岩崎ちひろさんとの共作『あなたがうまれたとき ちひろのあかちゃん日記』(1986年・岩崎書店)などがあります。テレビ番組「ママとあそぼう!ピンポンパン」や「ひらけ!ポンキッキ」で流れた楽曲の作詞も担当し、親子のふれあいを大切にした作品が多いのが特徴。やさしくて素朴な言葉選びが、子どもたちの心にすっと届く詩人です。

あべ 弘士(絵)

あべ 弘士(あべ ひろし)さんは1948年北海道旭川市生まれ。高校卒業後、旭山動物園の飼育員として25年間勤務し、その経験を活かして絵本作家へ転身。動物のリアルな描写や、力強くもやさしい絵が特徴で、『あらしのよるに』や『ゴリラにっき』など数々の作品を発表。1995年に『あらしのよるに』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。現在も北海道を拠点に、動物のいのちや自然をテーマに創作を続けています。

中川 ひろたか(曲・歌)

中川ひろたかさんは1954年埼玉県生まれ。シンガーソングライター、絵本作家、保育士などさまざまな顔を持つクリエイター。1995年に『さつまのおいも』でデビュー。また『ないた』で日本絵本賞受賞。モー・ウィレムズ作品をはじめ、翻訳絵本も多く手がけ、独自のユーモアある語り口が魅力。さらに作曲された『世界中のこどもたちが』などの歌が、保育現場でも広く親しまれています。

おすすめ対象年齢

対象年齢は2〜4歳くらい。歌と絵がセットになっているので、読み聞かせだけでなく、親子で一緒に歌って楽しめるのが魅力。保育園や幼稚園でも人気で、子どもたちが自然と歌詞を覚えて口ずさむほど。絵本デビューにもぴったりな一冊です。

レビュー

読んでみてまず感じたのは「癒し力、すごっ!」ってこと。カバくんのゆる〜い表情に、こっちまでのんびりした気分になっちゃいます。歌を聴きながらページをめくると、まるでカバくんと一緒にお昼寝してるような気分。あべ弘士さんの絵は、動物のリアルさとユーモアが絶妙で、カバくんの存在感が抜群。子どもだけじゃなく、大人も疲れたときに読みたくなるような、心の栄養になる絵本です。