ねぇだっこ/いちかわ けいこ

『ねぇ だっこ』は、いちかわけいこさん作、つるたようこさんの絵による絵本で、2002年に佼成出版社から出版されました。 ​物語は、生まれたばかりの弟が母親の抱っこを独り占めする中、抱っこされたいお姉ちゃんの切ない心情を描いています。​お姉ちゃんはお母さんの手伝いをしながら、自分の気持ちを伝えようとします。​レトロ感覚の絵本で、子どもの繊細な心を温かく表現しています。

略歴

いちかわけいこ

いちかわけいこさんは、1964年千葉県生まれ。 東京教育専門学校を卒業後、保育園や養護施設での勤務を経て、嫁ぎ先で農業に従事しました。 その後、自宅で家庭文庫を開き、友人と共に小学校や書店でお話会を開催するなど、子どもたちとの交流を深めています。 また、「この本だいすきの会」の会員としても活動中です。 主な作品に、『ねぇだっこ』(絵:つるたようこ)、『おばけかな?』(絵:西村敏雄)などがあります。

つるたようこ(絵)

​つるたようこ(鶴田陽子)さんは、1965年生まれの絵本作家・イラストレーターです。​玉川大学文学部芸術学科を卒業後、染織、版画、立体など、技法にとらわれず自身の世界を表現しています。 ​彼女の作品は、温かみのあるタッチと独特の色彩感覚で、多くの子どもたちや親から愛されています。​主な絵本作品には、『ねぇだっこ』、『まめとすみとわら』『だいこんとにんじんとごぼう』『やさいとさかなのかずくらべ』『おとうと』『しーっ しずかに』『のら犬』『じゃがいものんたの わすれんぼう』などがあります。 ​これらの作品を通じて、子どもたちの感性や想像力を豊かに育むことに貢献しています。

おすすめ対象年齢

『ねぇ だっこ』の対象年齢は、おおよそ2歳からとされています。 ​しかし、内容的には、弟や妹が生まれたばかりの家庭の幼児や、その親御さんにも共感を呼ぶ作品となっており、幅広い年齢層で楽しめる絵本です。

レビュー

この絵本は、兄弟姉妹が増えることで生じる子どもの心の葛藤を丁寧に描いています。​お姉ちゃんの「抱っこしてほしい」という純粋な願いと、それを伝えるための健気な行動が、読む人の心を打ちます。​つるたようこさんのレトロ風のイラストは、物語の温かさと切なさをより一層引き立てています。​兄弟姉妹がいる家庭や、これから迎える予定のある家庭にとって、子どもの気持ちに寄り添うきっかけとなる一冊です。

タイトルとURLをコピーしました