ぴょん ぴょん ぱんの かばんです/香山 美子

『ぴょん ぴょん ぱんの かばんです』は、香山美子さん作、柿本幸造さん絵による絵本で、1982年に新日本出版社から発行されました。物語は、うさぎさんが自作の小さなかばんを肩にかけて跳ねると、かばんも一緒に「ぴょん ぴょん ぱん」と跳ねるという可愛らしいシーンから始まります。そのかばんは他の動物たちにも大人気で、うさぎさんは次々とかばんを作ってあげますが、最後に大きなぞうさんからも頼まれ、困ってしまいます。快いリズムの文章と暖かみのある絵が、読者に豊かな夢を広げてくれる作品です。

略歴

香山美子

香山美子(こうやま よしこ)は、日本の児童文学作家、詩人。1928年、東京都に生まれる。大学を卒業後、子どもの成長や想像力に触発され、創作活動を始める。絵本や童話を数多く発表し、親しみやすい言葉と温かみのある世界観が特徴。代表作『どうぞのいす』(1981年)は、子どもたちに優しさや思いやりを伝える名作として、世代を超えて読み継がれている。この作品は日本国内外で評価され、絵本作家の柿本幸造との共作で多くの読者に親しまれている。『ごろりん ごろん ころろろろ』(1984年)、『ヒッコリーのきのみ』(1985年)など幼少期の心に寄り添う作品を生み出し続け、多くの児童文学賞を受賞している。彼女の作品は、家庭や学校での読み聞かせにも適しており、現在でも幅広い人気を誇る。

柿本幸造

柿本幸造(かきもと こうぞう、1915年 – 1998年)は、日本の絵本画家です。広島県高田郡吉田町(現・安芸高田市吉田町)に生まれ、上京後は広告関係の会社に勤務しました。1954年から月刊絵本の挿絵を手がけるようになり、以後、絵本や童話の世界で活躍しました。代表作には、香山美子作の『どうぞのいす』や、蔵冨千鶴子作の「どんくまさん」シリーズがあります。その温かみのある色彩と優しいタッチのイラストは、多くの読者に親しまれています。1959年には小学館児童文化賞を受賞し、1980年にはフィンランド児童文学協会翻訳児童図書最優秀賞を受賞するなど、その功績は高く評価されています。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、出版社のおすすめとして3歳から5歳程度となっています。幼児期の子どもたちが楽しめる内容で、優しいストーリーとリズミカルな言葉遣いが特徴です。

レビュー

『ぴょん ぴょん ぱんの かばんです』は、うさぎさんの優しさと創意工夫が描かれた心温まる物語です。動物たちのために一生懸命かばんを作るうさぎさんの姿は、読者に思いやりの大切さを教えてくれます。また、柿本幸造さんの柔らかく温かみのあるイラストレーションが、物語の世界観をより豊かに表現しています。読み聞かせにも最適で、親子で一緒に楽しめる一冊です。

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