ぶたのほかほかパンやさん/正岡 慧子

2002年にPHP研究所から出版された、正岡慧子さん作・神山ますみさん絵の絵本『ぶたのほかほかパンやさん』。ぶたさんは朝早くからパンが大好きで、毎日パン焼きにいそしむ働き者。ある日、ねずみ夫婦からパンのコンクール開催を知らされ、自分のパン屋を持つチャンスが到来!たくさん考え抜いた末、「びっくりパン」でコンテストに挑み、見事優勝。ついにはねずみさんと一緒に“ほかほかパンやさん”を開店します。読み聞かせにもぴったりです

略歴

正岡 慧子

正岡慧子(まさおか けいこ)さんは1941年広島県生まれ。広告代理店勤務や喫茶店経営を経て、1984年に絵本デビュー(『くろひげのサンタクロース』)。その後は絵本・童話作家として活躍し、『あなぐまのクリーニングやさん』『きつねのたなばたさま』『ぼくのしごとはゆうびんや』など多数の作品を発表。また、日本児童文芸家協会理事や東洋医学の薬膳普及にも携わり、全国各地で読み聞かせや読み語り運動を推進しています。

神山 ますみ(絵)

神山ますみ(かみやま ますみ)さんは1961年東京生まれ。1990年に青山ギャラリーハウスMAYAで初の2人展「いってみたいなよその国」を開催し、1992年には「玄光社イラストレーション ザ・チョイス年度賞」を受賞。主な絵本関連作品には『おつきさまとあそんだよる』(講談社)、『まほうつかいはおひるねちゅう』などがあり、2005年にはフランス・Vioflay市のサロンでも文化賞を獲得。『ぶたのほかほかパンやさん』ではふんわりと愛らしいパンの絵が子どもたちに大人気です。

おすすめ対象年齢

『ぶたのほかほかパンやさん』の対象年齢は、公式では主に3歳〜5歳。色彩豊かでわかりやすいストーリー展開と、パンの美味しそうなイラストが幼児の好奇心と想像力をくすぐります。リズム感のある文章で読み聞かせもしやすく、小さな子どもでも楽しく聞き入れる構成です。

レビュー

ぶたさんが毎朝パンを一生懸命焼く姿、ねずみさん夫妻の優しさ、そしてコンテストへの挑戦…どれも胸がほっこりしました。特に「びっくりパン」を思いつくぶたさんの創意工夫がステキ!読み聞かせのたびに、子どもが「おいしそ〜!」と目を輝かせるのが印象的ですし、自分もパン屋さんになった気持ちでワクワクできます。ラストは努力がちゃんと報われる展開で、読後はジーンとあたたかい気持ちに。親子で「次はどんなパンつくろう?」と話が弾む一冊です。全体的に優しい絵柄と愛情いっぱいのストーリーが、幼いながらもがんばりたい気持ちを後押ししてくれる感じがとっても良かったです。