ふって! ふって! ぺこぺこバニー/クラウディア・ルエダ

『ふって! ふって! ぺこぺこバニー』は、クラウディア・ルエダ作、二宮由紀子訳の絵本で、子どもたちが参加しながら楽しめるインタラクティブな作品です。お腹を空かせたバニーが木の上のリンゴを取ろうと奮闘し、読者は本を振ったり傾けたりすることで物語の展開に関与します。原作のタイトルは『Hungry Bunny』で、2018年にアメリカで初版が発行されました。日本語版も同年に出版され、ユーモラスなイラストと仕掛けが親子での読み聞かせに最適です。子どもたちの想像力を刺激するこの絵本は、楽しい体験を通じて物語を深く味わえる一冊です。

略歴

クラウディア・ルエダ

クラウディア・ルエダ(Claudia Rueda)は、コロンビア出身の絵本作家で、ボゴタのロス・アンデス大学で法律を学びました。その後、サンフランシスコのカリフォルニア大学で児童文学とイラストレーションを専攻し、絵本作家としての道を歩み始めました。彼女の作品は、シンプルでありながら感情豊かなイラストと、読者参加型のインタラクティブなストーリーテリングが特徴です。代表作には『Hungry Bunny』や『Huff & Puff』などがあり、国際的な評価を得ています。また、彼女の作品は複数の言語に翻訳され、世界中の子どもたちに親しまれています。

二宮 由紀子(訳)

二宮 由紀子(にのみや ゆきこ、本名・川島由紀子、1955年生まれ)は、日本の童話作家、翻訳家です。大阪府出身で、1974年に大阪府立高津高等学校を卒業し、1978年に京都大学文学部を卒業しました。独特のリズムとユーモアあふれる文章で、多くの童話や絵本を手掛けています。代表作には『だれかそいつをつかまえろ!』や「ハリネズミのプルプル」シリーズなどがあり、日本絵本賞翻訳絵本賞や赤い鳥文学賞、産経児童出版文化賞などを受賞しています。また、海外の絵本の翻訳も手掛けており、幅広い読者層から支持を得ています。

おすすめ対象年齢

『ふって! ふって! ぺこぺこバニー』は、対象年齢が3歳から5歳の子ども向けの絵本です。簡単な言葉とかわいらしいイラストで構成され、子どもが楽しめるインタラクティブな要素が盛り込まれています。本を振ったり傾けたりする仕掛けは、幼児の好奇心を刺激し、絵本を読む時間を特別な体験にします。また、親子で一緒に楽しむことで、子どもとのコミュニケーションを深める効果も期待できます。

レビュー

『ふって! ふって! ぺこぺこバニー』は、絵本という媒体の可能性を存分に活かした作品だと感じました。読者が直接本に働きかけることで、物語に深く関与できる点が非常にユニークです。お腹を空かせたりんごを求めるバニーの姿がかわいらしく、子どもたちの共感を誘います。本を振る、傾けるといった動きが加わることで、読み聞かせの時間が遊びの時間に変わり、子どもが主体的に楽しめる構成は見事です。また、イラストのシンプルさがかえって想像力をかき立て、親子で笑顔になれる作品です。どんな子どもでも、読後は満足感を抱くことでしょう。

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