たべられちゃうの? めんどりさん/リチャード・ウェアリング

『たべられちゃうの? めんどりさん』は、リチャード・ウェアリング作、キャロライン・ジェイン・チャーチ絵、まえざわあきえさん訳による絵本です。​原作の英語タイトルは『Hungry Hen』で、2001年にイギリスで出版されました。​日本語版は2018年にひさかたチャイルドから刊行されています。​物語は、食いしん坊のめんどりと、それを狙うきつねのユーモラスなやり取りを描いており、意外な結末が読者を驚かせます。​本作は2002年にケイト・グリーナウェイ賞にノミネートされるなど、高い評価を受けています。

略歴

リチャード・ウェアリング

リチャード・ウェアリングは、イギリスの作家であり、教育者としても活躍しています。​ボーンマス大学、ポーツマス大学、サセックス大学などで講師を務めた後、セカンダリースクールで英語と演劇を教えていました。​彼の創作活動は、幼い長女からおやすみ前にオリジナルの物語をせがまれたことがきっかけで始まりました。​代表作の一つである『たべられちゃうの? めんどりさん』は、2002年にイギリスで最も売れた絵本のトップ5にランクインし、ケイト・グリーナウェイ賞にもノミネートされました。​他の作品には『ダンスのすきなワニ』があり、これらの作品は子どもたちに広く親しまれています。

キャロライン・ジェイン・チャーチ(絵)

キャロライン・ジェイン・チャーチは、イギリス・オックスフォード生まれの児童書作家兼イラストレーターです。​ミドルセックス・ポリテクニックでデザインとイラストレーションを学び、卒業後はグリーティングカードのデザイナーとしてキャリアをスタートさせました。​その後、児童書のイラストレーターとしての道を歩み始め、アメリカン・フォークアートに影響を受けた鮮やかな色彩とテクスチャーを活かしたコラージュ技法で知られるようになりました。​代表作には、自身が執筆・イラストを手掛けた『ぶたのトントン』や、リチャード・ウェアリング作の『たべられちゃうの? めんどりさん』のイラストレーションがあります。

まえざわ あきえ(訳)

前沢明枝(まえざわ あきえ)さんは、日本の児童文学翻訳家、言語学者です。​東京生まれで、アメリカのウェスタンミシガン大学で英米児童文学の学士号を取得し、ミシガン大学大学院で言語学の修士号を取得しました。 ​帰国後、英語圏の絵本や児童文学の翻訳を手掛けるとともに、大学で英語、翻訳、異文化コミュニケーションなどを教えています。 絵本の翻訳作に『ふとっちょねこ』や『ぼくだってとべるんだ』などがあります。 ​また、第4回外国絵本翻訳コンクール優秀賞を受賞するなど、その功績が評価されています。 ​さらに、産経児童出版文化賞入賞や、社会保障審議会児童福祉文化財の推薦図書に選ばれるなど、多くの受賞歴があります。 ​

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、3歳から4歳程度とされています。​簡潔な文章と繰り返しの多い展開、そして魅力的なイラストが、小さな子どもたちの興味を引きつけ、楽しませる内容となっています。

レビュー

本作は、シンプルながらも巧みなストーリーテリングと、キャロライン・ジェイン・チャーチの温かみのあるイラストが印象的です。​めんどりときつねの関係性がユーモラスに描かれており、読み進めるうちに結末が気になって仕方がなくなります。​意外なラストは、大人でも思わず笑ってしまうことでしょう。​親子で楽しめる一冊として、おすすめです。​

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