いそげ! きゅうきゅうしゃ/竹下 文子

『いそげ! きゅうきゅうしゃ』は、竹下文子さんの文、鈴木まもるさんの絵で描き、2017年に偕成社から刊行された、ドキドキ&ワクワクがたっぷり詰まった乗りもの絵本です。ピーポーピーポーと救急車がサイレンを鳴らして出動する姿は、子どもも大人もつい立ち止まって見守りたくなるほど。そして、ただの救急車の出動シーンじゃなくて、山の向こうの大きな病院までドクターヘリが颯爽と登場! 力強く飛ぶヘリの描写に思わずワクワクします。さらに、この絵本にはシリーズの他の車やお店もこっそり描かれていて、探しながら読む楽しさもありますよ。

略歴

竹下 文子

竹下文子(たけしたふみこ)さんは1957年福岡県生まれ、東京学芸大学卒業。大学在学中から童話の執筆を始め、1978年に「月売りの話」で日本童話会賞を受賞。以降、『星とトランペット』『黒ねこサンゴロウ』シリーズなどで路傍の石幼少年文学賞を受賞し、長年にわたって児童文学・絵本の世界で活躍されています。代表作には『せんろはつづく』『ひらけ!なんきんまめ』『なまえのないねこ』など、受賞歴も多数(絵本にっぽん賞、産経児童出版文化賞、講談社絵本賞など)。静岡県在住で、多くの子どもたちに親しまれている作家です。

鈴木 まもる(絵)

鈴木まもるさんは1952年東京生まれ。東京芸術大学工芸科を中退後、1980年に『ぼくの大きな木』で絵本作家としてデビュー。作品数は200冊以上にのぼります。1995年に「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さし絵賞を、2006年に『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞、2015年には『ニワシドリのひみつ』で産経児童出版文化賞JR賞など数々の受賞歴あり。伊豆半島に在住し、画家・絵本作家として活動する傍ら、鳥の巣研究家として収集・展覧会・講演なども行っています。

おすすめ対象年齢

対象年齢は 2歳から。とにかく救急車の迫力と、ドクターヘリのカッコよさが魅力で、小さな子でもサイレンや車の動きに興味津々になります。絵の中に登場する他の乗りものや建物も探しながら読めるので、読み応えもあり、繰り返し楽しめる一冊ですよ!

レビュー

救急車の「ピーポーピーポー」サイレンを文章で読んだだけで、頭の中に音が鳴り響く感じ…すでにその世界に引き込まれます。鈴木まもるさんの絵は、救急車の動きやドクターヘリが飛び立つ迫力をページいっぱいに描いてくれていて、ぼんやり読み進めるのはもったいないくらい!町の風景や他シリーズの車、お店のちょっとした描写にも注目したくなります。子どもが救急車を見かけて目をキラキラさせるように、この絵本を読んだら「ぼくも救急隊員になりたい!」なんて気持ちになるかも。親子で一緒にドキドキ、ハラハラしながら楽しめる、元気が出る一冊です。