『おかあさんはね』は、エイミー・クラウス・ローゼンタール作、トム・リヒテンヘルド絵、高橋久美子訳による絵本で、2017年に日本のマイクロマガジン社から出版されました。
原作の英題は『I Wish You More』で、2015年にアメリカで発行されています。この絵本は、母親が子どもの健やかな成長と幸せを願う気持ちを、優しい言葉と温かみのあるイラストで綴っています。全米でベストセラーとなり、10か国以上で翻訳出版され、多くの親子に愛されています。日本語版は第9回ようちえん絵本大賞を受賞し、親から子への思いを代弁する作品として高く評価されています。
略歴
エイミー・クラウス・ローゼンタール
エイミー・クラウス・ローゼンタール(Amy Krouse Rosenthal、1965年生まれ)は、アメリカの作家、映画製作者、ラジオ番組のホストとして知られています。彼女は子ども向けから大人向けまで幅広いジャンルで執筆し、その温かみとユーモアに満ちた作品は多くの人々に愛されています。
彼女の代表的な児童書には、『おかあさんはね』、『スプーンくん』や『アヒルかも! ウサギかも!』などがあり、これらの作品は日本でも翻訳・出版されています。 また、彼女の作品の多くはニューヨーク・タイムズのベストセラーリストにランクインし、その独特の視点と創造性で高く評価されており、『ぼくはびっくりマーク』で2015年のカリフォルニア・ヤングリーダー・メダルを受賞しています。
2017年、彼女は51歳で卵巣癌により逝去しました。闘病中、彼女はニューヨーク・タイムズにエッセイ「You May Want to Marry My Husband」を寄稿し、大きな話題を呼びました。 このエッセイは、彼女の夫への深い愛情と別れのメッセージとして、多くの読者の心を打ちました。
エイミー・クラウス・ローゼンタールの作品は、彼女の死後も多くの人々に読み継がれ、そのメッセージは今なお多くの人々の心に響いています。
トム・リヒテンヘルド
トム・リヒテンヘルド(Tom Lichtenheld)は、アメリカのイラストレーター、作家として知られています。ウィスコンシン大学を卒業後、ミネアポリスの広告会社に16年間勤務し、広告業界で数々の賞を受賞しました。その後、フリーランスとなり、絵本制作に取り組む時間を持つようになりました。2000年には、初の絵本『Everything I Know about Pirates』を発表し、絵本作家としてのキャリアをスタートさせました。
彼の作品は、ユーモアと創造性に富んでおり、子どもたちだけでなく大人にも愛されています。邦訳された作品には、『アヒルかも! ウサギかも!』や『おやすみ、はたらくくるまたち』、『よるのきかんしゃ、ゆめのきしゃ』などがあります。これらの作品は、日本でも多くの読者に親しまれています。
また、エイミー・クラウス・ローゼンタールとの共作も多く、『おかあさんはね』や『ぼくはびっくりマーク』など、心温まる作品を数多く手掛けています。彼のイラストは、物語の魅力を引き立てるだけでなく、読者の想像力を刺激する独特のスタイルで描かれています。
トム・リヒテンヘルドの作品は、その温かみのあるイラストとユーモラスなストーリー展開で、多くの賞賛を受けています。彼の創作活動は、今後も多くの人々に感動と笑顔を届けることでしょう。
高橋 久美子
高橋久美子(たかはし くみこ、1982年生まれ)さんは、作家・作詞家として多彩な活動を展開しており、特に絵本の分野でも高い評価を受けています。彼女が日本語訳を手掛けた『おかあさんはね』(マイクロマガジン社)は、第9回ようちえん絵本大賞を受賞しました。 『おかあさんはね』は、全米でベストセラーとなり、10か国以上で翻訳出版されている話題の絵本です。この作品は、子どもを持つすべての人々の「願い」の集大成として評価され、多くの共感を呼んでいます。
また、高橋さんは他にも『ディア ガール おんなのこたちへ』(主婦の友社)や『パパといっしょ』(トゥーヴァージンズ)などの絵本の翻訳を手掛けており、これらの作品も多くの読者から支持を受けています。
さらに、彼女自身の著作として、絵本『赤い金魚と赤いとうがらし』(mille books)や『あしたが きらいな うさぎ』(マイクロマガジン社)などがあります。 これらの作品は、彼女の独特の感性と温かみのあるストーリーで、多くの読者の心をつかんでいます。
高橋久美子さんの絵本に関する受賞歴や活動は、彼女の才能と努力の賜物であり、今後のさらなる活躍が期待されています。
おすすめ対象年齢
『おかあさんはね』は、5歳から大人まで幅広い年齢層におすすめの絵本です。子どもには母親の愛情を感じ取れる内容であり、大人には親としての思いを再確認させてくれる作品です。読み聞かせを通じて、親子の絆を深めることができるでしょう。
レビュー
『おかあさんはね』は、母親の子どもへの深い愛情と成長を願う気持ちが丁寧に描かれており、読むたびに心が温かくなります。シンプルな言葉ながら、親としての思いが真っ直ぐに伝わってきます。また、トム・リヒテンヘルドの柔らかいイラストが、物語の温かみをさらに引き立てています。親子で一緒に読むことで、子どもは親の愛情を感じ取り、大人は子どもへの思いを再確認できる素晴らしい作品です。特に、日常の忙しさの中で忘れがちな大切な気持ちを思い出させてくれる一冊として、多くの方におすすめしたいです。