とよたかずひこさんの『いちごさんがね…』(2013年 童心社)は、人気シリーズ第8弾として登場した、元気いっぱいのいちごが主人公の絵本です。いちごが6つ並んで「ずん ずん ずん」と進んでいく姿はとてもユーモラス。道中にはカエルやヘビが現れますが、全然へっちゃら。さらに大きな雪だるまをのぼる場面では、強い風に吹き飛ばされそうになりますが、合言葉は「しんぱいごむよう!」。子どもたちが大好きないちごが活躍するストーリーは、読んでいるだけで元気がわいてきます。
略歴
とよた かずひこ
とよたかずひこ(本名:豊田 一彦)さんは、1947年、宮城県仙台市に生まれました。早稲田大学第一文学部を卒業されています。大学卒業後はフリーのイラストレーターとして活動し、長女の誕生をきっかけに絵本作家へと転身しました。1997年には『でんしゃにのって』で厚生省中央児童福祉審議会児童文化財特別推薦を受け、2001年には『どんどこ ももんちゃん』で第7回日本絵本賞を受賞しています。また、『あめですよ』は小学1年生の国語教科書(東京書籍)に採用されるなど、多くの作品が親しまれています。
おすすめ対象年齢
『いちごさんがね…』は、1歳から4歳くらいの子どもにおすすめの絵本です。繰り返しのリズムが楽しく、小さな子でも声に出して一緒に楽しめます。いちごのキャラクターが困難に立ち向かう姿は幼児にもわかりやすく、前向きな気持ちを育むきっかけに。親子の読み聞かせにもぴったりな内容です。
レビュー
実際に読んでみると、いちごが「ずんずん」と前に進むリズムがとても心地よく、声に出して読むと子どもが笑顔になるのが印象的でした。強い風や雪だるまなどの障害に出会っても「しんぱいごむよう!」と進む姿は、シンプルながらも勇気や元気を感じさせてくれます。読み聞かせをしながら子どもと一緒に声を合わせると、一体感が生まれてとても楽しい時間に。特にいちごが大好きな子には大ヒット間違いなしの絵本です。