『おつきさまでたよ』は、寺村輝夫さん作、いもとようこさん絵による絵本で、1985年にあかね書房から出版されました。この絵本は、秋の風物詩である「お月見」をテーマにしています。 物語を通じて、子どもたちは日本の伝統行事であるお月見の楽しさや美しさを感じることができます。
略歴
寺村 輝夫
寺村 輝夫（てらむら てるお,1928年 – 2006年）さんは、東京都出身の児童文学作家です。戦後、早稲田大学に入学し、在学中に「早大童話会」に所属して創作童話を志しました。1956年に「ぞうのたまごのたまごやき」を発表し、以降、「ぼくは王さま」シリーズをライフワークとして執筆しました。1961年には『ぼくは王さま』で毎日出版文化賞を受賞し、1980年には『あいうえおうさま』で絵本にっぽん賞を受賞しました。1984年には「独特のナンセンステールズで、子どもの文学の世界を広げた」功績により巌谷小波文芸賞を受賞しました。「ぼくは王さま」シリーズ以外にも、「寺村輝夫のとんちばなし・むかしばなし」「おはなしりょうりきょうしつ」「わかったさんのおかし」「かいぞくポケット」など、子どもに人気のシリーズを多く手がけました。
いもとようこ
いもとようこ（本名：井本蓉子）さんは、1944年兵庫県生まれの絵本作家・挿絵画家です。金沢美術工芸大学油絵科を卒業後、小学校教員を経て絵本の世界に入りました。独自の貼り絵技法で温かみのある作品を多数手がけ、出版された絵本は400冊以上にのぼります。主な受賞歴として、1985年度『ねこの絵本』、1986年度『そばのはなさいたひ』でボローニャ国際児童図書展エルバ賞を2年連続受賞しています。ちぎった和紙の貼り絵に着色する独自の技法で、柔らかく温かな表情の人物や動物を描き、創作童話や日本の昔話、世界の名作など多くの絵本を手がけ国際的にも高く評価されています。
おすすめ対象年齢
対象年齢は2～3歳児向けとされています。 しかし、優しい語り口と美しいイラストは、幅広い年齢層の子どもたちに親しまれる内容となっています。
レビュー
本書は、日本の伝統的な行事である「お月見」をテーマにしており、子どもたちに四季の移ろいと文化を伝える良い機会を提供しています。いもとようこさんの温かみのあるイラストは、物語の雰囲気をより一層引き立てています。また、物語の中で描かれる動物たちのやり取りは、子どもたちに友情や協力の大切さを伝える内容となっており、教育的な要素も含まれています。全体として、親子で一緒に楽しみながら、日本の文化や自然の美しさを感じることができる素晴らしい絵本です。
