赤い機関車ジェームス/ウィルバート・オードリー

『赤い機関車ジェームス』は、ウィルバート・オードリー作、レジナルド・ダルビー絵、桑原三郎・清水周裕訳による絵本で、原題は『James the Red Engine』です。1948年にイギリスで発行されました。日本語版はポプラ社から2020年に新装出版されています。本書は、うぬぼれの強い機関車ジェームスが、失敗を経て役に立つ機関車になるまでを描いた4つの短編で構成されています。

略歴

ウィルバート・オードリー

ウィルバート・オードリー(Wilbert Vere Awdry, 1911年 – 1997年)は、イギリスの牧師であり、児童文学作家です。彼は特に『機関車トーマス(The Railway Series)』シリーズで知られており、この絵本シリーズが後に世界的に人気を博したテレビ番組『きかんしゃトーマス』の基礎となりました。
『機関車トーマス』が生まれたきっかけは、1942年、彼の息子であるクリストファーが病気になった際、彼を元気づけるために即興で語り始めた物語でした。この物語が家族に好評だったことから、彼はその後も話を続け、ついに1945年に『The Three Railway Engines』として最初の絵本が出版されました。シリーズはその後も続き、世界中で親しまれる作品となりました。彼の息子クリストファーも父の遺志を継ぎ、後に『The Railway Series』の新作を手がけています。オードリー牧師が残した物語とキャラクターたちは、現在も多くの子どもたちに愛され続けています。

レジナルド・ダルビー(絵)

レジナルド・ダルビー(Reginald Dalby,1904年 – 1983年)は、イギリスのイラストレーターで、ウィルバート・オードリーの『汽車のえほん』シリーズの挿絵を手掛けました。彼の描く色鮮やかで親しみやすい機関車たちの姿は、読者の想像力を刺激し、物語の世界観を豊かに表現しています。

おすすめ対象年齢

『赤い機関車ジェームス』は、主に3歳から6歳の幼児や小学校低学年の子供たちを対象としています。シンプルで親しみやすいストーリーとカラフルな挿絵が特徴で、読み聞かせや初めての読書体験に適しています。また、物語を通じて友情や努力の大切さを学ぶことができ、教育的な要素も含まれています。

レビュー

『赤い機関車ジェームス』は、ジェームスの成長物語が魅力的です。彼の失敗や学びを通じて、子供たちは努力や自己改善の重要性を理解できます。レジナルド・ダルビーの鮮やかな挿絵は、物語の世界観を豊かに表現し、読者の想像力を刺激します。桑原三郎と清水周裕の翻訳も、原作の雰囲気を損なうことなく、日本の読者に親しみやすい文章となっています。この絵本は、親子での読み聞かせにも最適で、世代を超えて愛され続ける名作です。

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