くだもの/平山 和子

平山和子さんの絵本『くだもの』は、子どもたちに親しみやすい果物をテーマにした作品で、リアルで美しいイラストが魅力的です。ページをめくると、リンゴやナシ、モモ、ミカンなど、さまざまな果物が大きく描かれており、まるで手で触れるかのようなリアリティがあります。果物のイラストの横には「さあ、どうぞ」という言葉が添えられており、まるで果物を実際に差し出されているような感覚を味わえます。このシンプルな言葉が、幼い子どもたちにもわかりやすく、果物への興味を引き出します。
絵本『くだもの』は、視覚と触覚を刺激する内容で、子どもたちの五感を育むきっかけにもなります。また、平山和子さんの細やかな観察力が感じられ、果物が持つ自然の美しさが存分に表現されています。親子で一緒に楽しめる絵本です。

平山和子の略歴

平山和子(ひらやま かずこ、1943年 – 2011年)は、日本の絵本作家であり、リアリズムに基づいた精緻な描写で知られています。東京生まれで、大学卒業後は画家として活動を始める一方、絵本制作に取り組みました。代表作の『くだもの』は、色鮮やかなリアルな果物の描写と、幼児向けの親しみやすい内容で高く評価されています。
彼女の作品は、自然や日常の美しさを描くことに定評があります。他にも『やさい』『いちご』などの作品があり、多くの子供たちに愛されています。平山さんの絵本は、シンプルでありながら温かみのあるイラストと、親しみやすいストーリーが特徴です

おすすめ対象年齢

おすすめ対象年齢は、主に0歳から3歳くらいの幼い子ども向けです。この年齢層にぴったりのシンプルな構成とわかりやすいイラストが、子どもたちに果物への興味を引き出し、親子で楽しみながら読むことができます。

レビュー

『くだもの』は、素晴らしくリアルなイラストとシンプルな言葉の美しさが印象的な一冊だと思います。果物がまるで本物のようにページから飛び出してくるように描かれており、幼い子どもたちが本を通して果物に触れているかのような感覚を味わえるのが魅力です。「さあ、どうぞ」と果物を差し出すシーンでは、読者に優しさや温かみが伝わり、ページをめくるたびに子どもたちの興味や笑顔が引き出される工夫が感じられます。
また、果物の自然な形や色、質感が忠実に再現されており、大人の目から見ても驚くほど細やかなイラストレーションです。幼児向けにシンプルでありながらも、観察の視点が鋭く、親子で「おいしそう」と思わず声をそろえてしまうような楽しさがあります。

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