おばけのゆかいなふなたび/ジャック・デュケノワ

『おばけのゆかいなふなたび』は、ジャック・デュケノワが作・絵を手掛けたフランスの絵本で、原題は『La Croisière fantôme』です。​2012年で出版されました。 日本語版は、おおさわ あきら氏の翻訳により、2013年に ほるぷ出版から刊行されました。​物語は、4人の小さなおばけたちが無人の幽霊船でクルーズに出かけるというものです。​宣伝文句と実際の旅のギャップがユーモラスに描かれています。​

略歴

ジャック・デュケノワ

ジャック・デュケノワ(Jacques Duquennoy)は、1953年にフランスのアミアンで生まれました。美術学校を卒業後、ポスターや新聞の挿絵など多彩な分野で活躍しました。その後、幼稚園の教師を務めながら絵本作家としての活動を開始し、数多くの作品を発表しています。代表作である「なかよしおばけ」シリーズは、世界10か国以上で翻訳され、特に『おばけパーティ』は1995年にフランスのペアレンツ・チョイス賞を受賞しました。

おおさわあきら(訳)

大澤 晶(おおさわ あきら)さんは、京都府生まれの翻訳家です。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)でフランス語を専攻し、卒業後は新聞記者として勤務しました。その後、翻訳家に転身し、主に児童書や絵本の翻訳を手がけています。代表的な訳書として、ジャック・デュケノワ作の「おばけ」シリーズ(ほるぷ出版)などがあります。これらの作品を通じて、子どもたちに多くの物語を届けています。

おすすめ対象年齢

『おばけのゆかいなふなたび』の対象年齢はおおよそ3歳から6歳程度です。色鮮やかでユーモラスな絵と、想像力を刺激する楽しいストーリーが特徴で、ひらがな主体の文章は読み聞かせにもぴったりです。おばけが怖くない、むしろ親しみやすい存在として描かれており、小さな子どもでも安心して楽しめます。おばけに興味を持ち始めた未就学児に特におすすめの一冊です。

レビュー

この絵本は「おばけ=こわい」というイメージをくつがえす、ユーモアたっぷりの冒険物語です。デュケノワの柔らかい色彩と表情豊かなイラストがとても魅力的で、ページをめくるたびに笑顔になれます。幽霊船というミステリアスな舞台にも関わらず、登場するおばけたちはのんびり屋でちょっとドジ、でもとても仲良し。子どもだけでなく、大人も一緒にクスッと笑ってしまうような場面が満載です。読み聞かせの時間が楽しくなる一冊でした。