バーバパパのはこぶね/アネット・チゾン,タラス・テイラー

『バーバパパのはこぶね』は、アネット・チゾンとタラス・テイラーによる絵本で、1975年に原作名「L’Arche de Barbapapa」としてフランスで発行されました。日本語版も同年に、やましたはるおさんの翻訳で講談社から出版されています。物語は、地球の環境汚染が進み、動物たちが苦しむ中、バーバパパたちが動物たちを救うためにロケット型の箱舟を作り、地球を脱出するという内容です。この作品は、環境問題への警鐘を鳴らすメッセージ性の強い内容となっています。

略歴

アネット・チゾン

アネット・チゾン(Annette Tison)は1942年フランスのオスソール生まれ。彼女は建築家としての訓練を受け、1965年にエコール・スペシャル・デ・アーキテクチュールを卒業しました。その後、彼女は建築設計事務所で働きながら、1970年代にアメリカ人の夫タラス・テイラーと共に「バーバパパ」シリーズを生み出しました。バーバパパのユニークなキャラクターとその周囲の世界は彼女の子供時代の思い出や、彼女が子供たちと共に過ごした時間からインスピレーションを得ています。アネットは「バーバパパ」シリーズの成功により、世界中で愛されるキャラクターを作り上げました。

タラス・テイラー

タラス・テイラー(Talus Taylor)はアメリカ出身の作家で1942年生まれ。彼はアネット・チゾンと共に「バーバパパ」シリーズを共同制作し、このシリーズの成功に大きく貢献しました。タラスは子供向けの絵本やアニメーションを作成することに情熱を持ち、彼の創造力とクリエイティブな才能は「バーバパパ」シリーズの魅力を一層引き立てました。彼はまた、アネットと共に多くの著作を発表し、世界中の子供たちに喜びと楽しさを提供しました。

やましたはるお(訳)

山下明生(やました はるお)氏は、1937年、東京に生まれ瀬戸内海の広島県能美島で育ちました。広島県立大柿高等学校を経て、京都大学文学部仏文学科を卒業後、上京してあかね書房に入社し、児童書の編集に携わりました。その後、同人誌「こだま」に参加したことを機に創作活動に専念します。1973年に『うみのしろうま』で野間児童文芸推奨作品賞、1975年に『はんぶんちょうだい』で小学館文学賞を受賞するなど、多くの作品で高い評価を得ています。また、「バーバパパ」シリーズの翻訳者としても知られています。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、3歳から5歳以上とされています。しかし、環境問題というテーマの理解を考慮すると、小学生以上の子どもたちにも適しているでしょう。物語の深いメッセージ性から、年齢に応じて異なる視点で楽しめる作品です。

レビュー

『バーバパパのはこぶね』は、シンプルなストーリーと可愛らしいイラストでありながら、環境汚染や動物保護といった深刻なテーマを扱っています。幼い子どもたちには、バーバパパたちの冒険として楽しめる一方、大人や年長の子どもたちは、地球環境の大切さや人間の影響について考えるきっかけを得られるでしょう。親子で読みながら、環境問題について話し合う良い機会を提供してくれる絵本だと感じました。

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