『おばけパーティ』は、フランスの絵本作家ジャック・デュケノワ(Jacques Duquennoy)による楽しい絵本です。原作名は『Le Dîner Fantôme』で、1993年にフランスで初版が発行されました。日本版は1995年発行です。この絵本は、幽霊たちが主役のユーモラスで愛らしいストーリーが魅力です。幽霊の仲間たちが集まり、楽しいパーティを繰り広げる様子がユーモアたっぷりに描かれています。絵本の中で登場するカラフルな幽霊たちの姿や、おどけた雰囲気は、子どもたちだけでなく大人も楽しめる内容です。特に、影絵や光の使い方など、視覚的な演出が作品にユニークな魅力を加えています。この絵本は、友達や仲間との楽しい時間を大切にするメッセージを伝えています。
略歴
ジャック・デュケノワ
ジャック・デュケノワ(Jacques Duquennoy)は、1953年にフランスのアミアンで生まれました。美術学校を卒業後、ポスターや新聞の挿絵など多彩な分野で活躍しました。その後、幼稚園の教師を務めながら絵本作家としての活動を開始し、数多くの作品を発表しています。代表作である「なかよしおばけ」シリーズは、世界10か国以上で翻訳され、特に『おばけパーティ』は1995年にフランスのペアレンツ・チョイス賞を受賞しました。
おおさわあきら(訳)
大澤 晶(おおさわ あきら)さんは、京都府生まれの翻訳家です。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)でフランス語を専攻し、卒業後は新聞記者として勤務しました。その後、翻訳家に転身し、主に児童書や絵本の翻訳を手がけています。代表的な訳書として、ジャック・デュケノワ作の「おばけ」シリーズ(ほるぷ出版)などがあります。これらの作品を通じて、子どもたちに多くの物語を届けています。
おすすめ対象年齢
ジャック・デュケノワ作の『おばけパーティ』の対象年齢は、4歳から小学校低学年までの子どもが推奨されています。この絵本は、カラフルでユーモアあふれるイラストが特徴で、子どもたちの興味を引きつける内容となっています。簡潔でわかりやすいストーリー展開は、絵本の読み聞かせにも適しており、親子で楽しむことができます。また、色や形の変化を通じて、子どもたちの想像力や観察力を育む要素も含まれています。
レビュー
この絵本は、主人公のおばけ・アンリが友達を招いて開く晩餐会の様子を描いています。おばけたちが食べ物や飲み物を口にするたびに、その色や形に体が変化するユーモラスな展開が特徴です。例えば、カクテルを飲むと体がその色に染まり、かぼちゃのスープを飲むとオレンジ色になるなど、視覚的な変化が楽しめます。また、アンリが壁をすり抜ける際にお盆だけが通れないといった、おばけならではのユーモアも盛り込まれています。これらの要素が組み合わさり、子どもたちの好奇心をくすぐる作品となっています。
全体的に、怖さよりも可愛らしさと面白さが強調されており、おばけが苦手な子どもでも楽しめる内容です。また、食べ物によって体が変化するという設定は、色彩感覚や想像力を刺激する効果も期待できます。親子で一緒に読むことで、食べ物や色に関する会話が広がり、コミュニケーションのきっかけにもなるでしょう。シンプルなストーリーながら、視覚的な楽しさとユーモアが詰まった一冊です。