
『レモンちゃん』は、さとうめぐみさんによる「おいしいもり」シリーズの記念すべき第1作。2017年にPHP研究所から出版されました。れもんちゃんは“おいしいもり”にお友達を探しにやってきますが、果物にも野菜にも「すっぱいから」と仲間に入れてもらえません。落ち込んでいたれもんちゃんを迎え入れてくれたのは、“やくみ”たち!そして彼女はやくみレンジャーの一員に。そこへ現れたのは果物や野菜を襲う巨大な妖怪たち!レンジャーたちが一致団結して立ち向かう中、やがて森のみんなが仲良くなる心あたたまる一冊です。
略歴
さとう めぐみ
さとう めぐみさんは、東京都生まれの絵本作家・日本画家です。東京藝術大学大学院美術研究科日本画専攻を修了し、動物をモチーフにした日本画の表現と絵本創作を続けています。代表作には、「おいしいもり」シリーズ(PHP研究所)や「まじょ」シリーズ(ハッピーオウル社)、「くものこ くー」シリーズ(教育画劇)などがあります。『まじょのほうき』で第4回ようちえん絵本大賞を受賞し、『おべんとう』で第9回MOE絵本屋さん大賞2016パパママ賞を受賞するなど、多くの作品で評価を得ています。彼女の作品は、食べ物や動物をキャラクターにしたユーモラスで温かみのあるストーリーが特徴で、子どもたちに親しまれています。
おすすめ対象年齢
『レモンちゃん』は、4〜6歳くらいの子どもたちにぴったりの絵本です。「すっぱさ=個性」として描かれたれもんちゃんの立場は、自分に自信がない子にも共感しやすく、他人と違うことの大切さや、受け入れ合う気持ちを自然に学べます。読み聞かせにもおすすめです。
レビュー
『レモンちゃん』は、“違い”をテーマにしながらも、明るく元気に楽しめる絵本です。れもんちゃんが仲間に入れてもらえずに落ち込むシーンは切ないけれど、やくみたちが迎えてくれるところがあったかくてジーンとします。そしてやくみレンジャーとしての活躍、果物・野菜との団結の流れがとても気持ちよく、読後感も爽やか!イラストもカラフルで目を引き、楽しい中に大切なメッセージがつまった、シリーズ第一弾にふさわしい1冊です。