おばけの地下室たんけん/ジャック・デュケノワ

ジャック・デュケノワ作・絵『おばけの地下室たんけん』(原題:Les Fantômes à la cave)は、1996年にフランスで発行され、日本語版は1999年にほるぷ出版から刊行されました。訳は大澤晶さん。おばけたちが地下室を探検するという、ちょっぴりドキドキするけれどユーモラスな物語です。暗くて謎めいた地下室も、おばけたちの明るく前向きな姿によって楽しい冒険の舞台に変わります。やさしい色合いのイラストと安心感のある展開は、小さな子どもたちにも安心して読み聞かせできます。想像力を刺激する一冊です。

略歴

ジャック・デュケノワ

ジャック・デュケノワ(Jacques Duquennoy)は、1953年にフランスのアミアンで生まれました。美術学校を卒業後、ポスターや新聞の挿絵など多彩な分野で活躍しました。その後、幼稚園の教師を務めながら絵本作家としての活動を開始し、数多くの作品を発表しています。代表作である「なかよしおばけ」シリーズは、世界10か国以上で翻訳され、特に『おばけパーティ』は1995年にフランスのペアレンツ・チョイス賞を受賞しました。

おおさわあきら(訳)

大澤 晶(おおさわ あきら)さんは、京都府生まれの翻訳家です。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)でフランス語を専攻し、卒業後は新聞記者として勤務しました。その後、翻訳家に転身し、主に児童書や絵本の翻訳を手がけています。代表的な訳書として、ジャック・デュケノワ作の「おばけ」シリーズ(ほるぷ出版)などがあります。これらの作品を通じて、子どもたちに多くの物語を届けています。

おすすめ対象年齢

​『おばけの地下室たんけん』の対象年齢は、出版社のほるぷ出版によれば4歳・5歳からとされています。 ​また、フランスの出版社アルバン・ミッシェルのサイトでは3歳からと記載されています。 ​これらの情報から、3歳から5歳の幼児を主な対象としていることがわかります。

レビュー

『おばけの地下室たんけん』は、ジャック・デュケノワらしいユーモアとやさしさにあふれた絵本です。おばけたちの地下室探検というちょっとドキドキするシチュエーションにもかかわらず、怖さはほとんどなく、どちらかというとワクワク感が前面に出ています。地下室という舞台設定が子どもの想像力をかき立て、登場するおばけたちの個性も魅力的。イラストも柔らかく親しみやすくて、夜の読み聞かせにもぴったりな一冊だと感じました。

タイトルとURLをコピーしました